【中部】30日午前9時30分ごろ、米海兵隊岩国基地(山口県)所属のAV8Bハリアー垂直離着陸攻撃機が嘉手納基地を離陸後、高度約760メートルでフレア(ミサイルの追尾を逃れるための熱源体)を誤射した。被害は確認されていない。目撃者によると落下地点は嘉手納弾薬庫上空とみられる。在沖米海兵隊報道部は沖縄タイムスの取材に「(操縦士の)不注意で発射してしまった。現在、内部で調査している」と説明した。県の又吉進知事公室長は同日「隊員の教育体制に疑念を抱かざるを得ない」と非難し、再発防止と安全管理に万全を期すよう海兵隊外交政策部(G5)に申し入れた。
同報道部などによると、第31海兵遠征部隊(31MEU)に参加している第211攻撃飛行隊のハリアー3機が攻撃・防御の習熟訓練のため同基地を離陸。うち1機が直後に誤投下したフレアは約60メートル降下する1秒間に燃え尽きたという。
目撃者によると3機のうち、2機編隊の1機が滑走路延長線上、県道74号から北東約1キロの上空で誤射。火の玉のような発光が数秒間見えたという。同機は訓練に向かい、同10時25分、基地へ戻った。
嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)の会長の野国昌春北谷町長は「周辺住民は騒音のみならず不安に脅かされる」と憤り、「首長、議長で直接抗議したい」と述べた。