分析その2:公安部公安第1課 田中一郎という男

Q.田中の動きが“怪しい”と思っていた人もいたのでは?

最初は、「本当は悪い方の人じゃないか?」って思われていたみたいですね。果たして井上達に協力してこうなっているのか、はたまたスパイなのか?まぁ、わからない方が面白いのかな?と思いながら演じていました。

Q.田中のセリフには、少ない言葉の中に重要な事が多く詰まっていますよね?

結構、キザなセリフもいっぱい言ってるんですよ…。恥ずかしいですけれど。「正義と悪の境界線が曖昧な世界へようこそ」…とか(笑)。(脚本の)金城さんは、何でこれを僕に言わせるんだろう…と思いながらいつもやっていました(笑)。英語も喋ったし、『野望篇』の時は「深い闇をもった組織がいるなら、早く炙り出さないと…」なんて言ったり。ワードとして普段チョイスしない言葉がいっぱいあったので、難しかったですね。そういう意味では、「田中はこういう事を言う人です」と思わせるようにしなきゃいけないというのが一番大変でしたね。特に金城さんは、無理難題をふっかけてくるので…(笑)。

Q.どのような無理難題を?

台本を読んだら普通のシーンなんですけど、金城さんは「きっと面白くするんでしょうね~」と、ボソっと言ってきたりするので、「これをどう面白くするんだろう!?」と潰されかけたことがあります(笑)。

Q.野間口さんの出演シーンは、回を重ねるごとに増えていったとか?

そうですね。こんなに増えると思っていなかったので、本当にびっくりしました。最初はもう、1話1シーン1カットなので…と話を聞いていたので、すごく気楽に現場に行っていたのですが、段々気楽に行けなくなってきて、やばかったですね(笑)。増えることへの喜びもありましたけど、プレッシャーの方が大きかったですね。