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<<   作成日時 : 2005/02/06 14:21   >>

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桜坂洋と桜庭一樹を交互に読んでいて、桜坂洋ばかりネタにするのも不公平なので。
シリーズ4作目「GOTHIC IV」、主人公コンビ(ヴィクトリカ&久城一弥)とサブヒロイン(アブリル)が初めて一堂に会する場面がある。普通に書けば腹のさぐり合いとかジャブの応酬とか一気に意気投合とか、いろいろ盛り上がる場面なのだが。

先にちょっかい出したアブリルがヴィクトリカに机を投げつけられて昏倒、その覚醒後。一弥にしつこく謝罪を促されたヴィクトリカがまず一言。
「なぜなら、この女は人間じゃない。屁こきいもりなのだ。わたしはいもりなんかとは話さない」

屁こきいもりには「ニュート」とルビが振られている。ヴィクトリカは毒舌の人なのでこのくらいは驚くにあたらない。怒って無理矢理謝らせようとする一弥と暴れるヴィクトリカ、被害者なのに止めに入るアブリル。そこで一弥が言い放つ。
「ぼくはただ、この屁こきヴィクトリカに物の道理を教えているんだよ。」

これは全然驚くにあたらなくない。久城くんたらもう、すっかり立派になっちゃって。
場面転換後、またもめる一弥とヴィクトリカ。物の道理をこんこんと説く一弥、その最後の言葉「君って人は、ぼくのいちばん大事な友達なのに……」にアブリルがみるみるむくれる。そしてつぶやく。
「……屁っこき一弥!」

全員美少女にハンサムさんという設定なのにこれ。大事な場面が台無しである。三人ともだんだん作者に毒されているのではないか。

後書きに顕著に見られるとおり、桜庭一樹は身も蓋もない類のユーモアの持ち主だ。それが「推定少女」やなにより「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」に見られる、どうしようもない現実を見据える視線と同根であることに気づくのは容易だろう。両方そろって桜庭一樹の小説であり後者を忌避する気は毛頭ないが、それがヴィクトリカ・一弥コンビの行く先にどれだけ適用されるのか、考えると恐い。あんまりいじめないであげてください、などとシュガーなことを少しだけ願っておく。

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