「GOSICKW -ゴシック・愚者を代弁せよ-」☆×5
富士見ミステリー文庫:著・桜庭一樹
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“ついに混沌の欠片はその核心(?)学園へ!”
【夏の息吹が満ち始める山間の学園の奥の奥。高い塔の上も、濃い緑に覆われていた。さらに、その一角には、極彩色の宝石のような、甘いお菓子が絨毯のように敷き詰められ?中心に黄金色の姫・ヴィクトリカは静かに座っていた。時が刻む歯車の音に、静かに耳を傾けながら。甘いお菓子を頬張りながら、残酷なる人の歴史を?混沌を彼女のが弄ぶ。それが、彼女に課せられた命だった…。聖マルグリット学園に存在するもうひとつの塔?置時計で起きた密室殺人。それを追う久城一弥とヴィクトリカ。それは、かつてソヴェールに君臨した謎の錬金術師・リヴァイアサンと関係しているらしいのだが!?アブリルと久城、そしてヴィクトリカ。それぞれの想いが交錯し、徐々に学園に隠された謎が明らかになる…。歴史の裏に受け継がれる血塗られた運命とは?ゴシックミステリー第四弾!】
※この先はネタバレを含んでいます。未読の方はご注意ください。なお主に下半身の熱きパトスで綴られておりますので、許容できない方はご遠慮ください。
し、しまった…
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テ ィ ッ シ ュ 切 れ た ァ ── ッ !
イカァン、いつの間にか常備しているティッシュを使いきってたぜ、こいつぁペンツッ(無駄に滑らか発音
あ、ああ…で、でもっ…もう…で、でそうっ!
う、うう、あああああ〜〜〜〜っ…(男の喘ぎはキモい
ぬぴょっ…(なんか出た
はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…
最低だ…俺って…
と、いうくらい。
今 回 は ト レ ビ ア ン ッ !(そこはかとなくフレンチ
なんつうかだね…
めっさ濃い。
もう、桜庭波(さくらばーは)がビンビンきた。おじさんは終始大興奮!
「これが、ゴスィックだッ!これに触れることは(悶)死を意味するッ!装飾武装(フリーリィ・フェノメノン)ッ!」
ってくらい(わからねーよ
なんといっても、今回はシリーズを構成する要素が極まっていた気がする。
事件性──胸躍る怪奇と鮮やかな解答!
関係性──引き込まれるキャラクター!
将来性──さらに広がりを見せる世界!
こ の 全 て が ク リ テ ィ タ カ ス ッ !
まずは事件。
もう錬金術ひいては錬金術師という言葉が出てくるだけで、両手をパァンしたくなる(?)ほどなのだよ、君。
その胡散臭さが!ペテン師っぷりが!その如何わしさが!(ろくなイメージじゃねえ
つか、ナニ夢見んかわかんないけど、実際こんなモンじゃね?>錬金術
そのヘンが作中では徹底して書かれていたのがよかったねぇ。
ヴィクトリカ曰く──錬金術師はみんなボンクラ(核爆
ただそのボンクラ=リヴァイアサンの“素顔”についてのドラマなんかも最後まで、飽きさせなかったなぁと。
それまでの前フリ(伏線)がきちんと生きているし、まるでパズルのピースがパチンと音を立ててはまり込んだかのような錯覚を覚える。
キーワードはゴールドラッシュ。
アフリカ人の歌、晒せない素顔、錬金術というペテン──
クライマックスはそれらに引き立てられて、どれだけ悲しくまた美しかったことか!
「いまやすべて夢幻だ。お別れだリヴァイアサン。さらば、黒き怪物よ──!」
イラストとの相乗効果とも相まって、身震いした。間違いなく、これまでで最高の名シーンだろう。
それぞれの関係。
一番目立ったのは、やっぱりアブリル。今まで出番が少なかったのを巻き返すように全編大奮闘。
これまでオカルト好きのちょっと変わった娘…ってイメージしかなかったんだけど(ぶっちゃけノー眼中 ←何気にひどぃ
結論。
め ち ゃ く ち ゃ ヘ ン な 娘 だ っ た ッ !
なんだこのダークホースw
頭の上にモノを乗せてぷらぷらしてたりとか、平気で人に罪をなすくりつけるし、意外とバイオレンス!
しかし、この娘は口汚いなあっ!w
「なんだとぅ!」──口うるさい級友に対して。女の子がそんな言葉遣いしちゃいけませんw
(久城くんの、えっち!)──ヴィクトリカに情報を漏らしたとき。え、えっちって(汗
「このフリルが」「フリル野郎!」「意地悪フリル!」──ヴィクトリカのこと。しかし、人に向かってフリルはねーよな。
あと、明確に一弥に対して好意を持ってたのはちょっと意外。ああ、ちゃんと女の子なんだなーと、おばかだけど(失礼
「久城くんを取ら、取らないでほしいの」とか結構積極的ですな、肝心のヴィクトリカには聞こえてなかったのがいとをかし。
でも、その直後に「悩んだら、お腹すいた!」…ああ、おばかで、かぁいいなぁw
次は最近目立ってきたセシル先生。
相変わらずのマイペースのあらあら禁止w
でも、生徒同士の恋愛ごとには興味津々。上記のアブリルの懇願(届かなかったけど)をこっそり聞いてた先生は…
なんと、地面に3人の相関図を書き始めた!(コーヒー吹いた
アブリル→一弥はまあ、いいとして…
一弥→ヴィクトリカは「なんとなく。そのほうがおもしろいし」って、ちょw待っww
この先生もやっぱりヘン!(今更
なによりある意味、ヴィクトリカの扱いが一番上手い(まあ、単に人の話をまともに聞いてないだけなんだが
「あら、まぁ」「生意気なお嬢さん〜、いばりんぼのお嬢さん〜」「相手してよ!先生、怖いのよ!」
なんだ、このダメなオトナわw
しかし、いつの間にかカラー口絵にも登場するほどの主要キャラになってきたんだなーとw
まあ、友人がモデルだし当然か。今後も天然で突っ走れ、セシル!(ガ○ダム予告風
あと変態お兄様ことグレヴィール・ド・ブロワ警部。
意外や意外、ドリルでない兄貴は普通にカッコいい!
血筋が血筋だしなぁ…ドリルも好きでやってるわけじゃないし…でも、中身がアレだから結局は変態だな(ぉ
しかし、前回からメキメキと私的好感度を上げているんだよなぁ兄貴は。少なくとも表面的には異母妹(ヴィクトリカ)を嫌悪しながら、そこはかとなく気をつかっている姿はまさに兄貴。
自分の感情はもとより、なにやら裏側(もしくは上層)の思惑にあまり納得のいってないご様子。
てことは、この先に大きな流れに妹が巻き込まれたときに、影なり表なり彼女のために尽力してくれそうなヨカーン。
それは危険な死亡フラグ──でも、もしそうなったらこのキャラは俺の中で伝説になるな、きっと。それはそれで、やっぱ悲しいけどね。
ああ、でもやっぱドリルじゃなきゃ落ち着かない!ナイスポーズでーす!
最後に、いつものバカップル(固有名詞出せよ
ヴィが付く人のターン!
「今日は、遅いな…」え?なに、その乙女モード?(失礼
“小さなフリルのボールになると転がり始めた──”ふ、フリルボール!彼女が丸まったらフリルボールですか!?
「フン。久城のくせにエレベーターだと?」「久城、君がわたしのためにぜぇぜぇはぁはぁと息を乱して苦しみ、腿をだるぅくしながら、えっちらおっちら迷路階段を上り降りする姿が──大好きなのだ!」
ごめん、思わず俺がオヤジボール!うはwww夢ひろがりまくりんぐwwwwwww
「この女は人間じゃない。屁こきいもり(ニュート)なのだ。わたしはいもりなんかとは話さない!」アブリルに向けて…へ、屁こきいもりはヒドスw
ちなみに、この後の一弥との本気のつかみ合いは必見(いや必読)!
「……ひっく。久城のやつめ……お、怒りすぎだ……!ひ、ひどい、やつだ……!」ズギュz_ン!珍しくヘコんだヴィクトリカにオヤジ撃沈!
「ま、待て……。こら、久城。行く、な……!」実はアブリルとふたりきりになるのがイヤだったわけだけど、最近はこういう表現が素直になってきたキガスw
しかし、今回は全編通して生意気になった一弥に翻弄される(事件以外で)ヴィクトリカにチ○ポの先が乾く暇がなかったね!(超下品
ケンカ(衝突)も増えたけど、それだけふたりの距離が近づいていることに思わず遠い目。
「……久城」
「なに?」
「君、言語化してほしいかね?」
「うん」
「わかったよ。では、してやろう。ついてきたまえ」
これってクライマックス前なんだけど…
ああ、愛だなって思った(by 赤×ピンク
桜庭さんのキャラの会話はさりげないというか──作ってる気がしないんだよなぁ。自然に零れ落ちてきたモノっていうか、それこそ彼女独自のイメージを言語化ってカンジで。
あー、あと、あれだよ。めんどくせーけど、ほら、ナニ。
屁っこき一弥(by アブリル
そもそも、なんで冒頭でいきなりアブリルとデェトしてんだよ、オメーわよ!
しかも、アブリルが時計台の扉壊した罪を被ってるんじゃねーよ、そういうところがムカつくんだーッ!
「ぼくはただ、この屁こきヴィクトリカに物の道理を教えてるんだよ。ほら、ヴィクトリカ。ちゃんと筋を通してアブリルに謝るんだ。そうしないとぼくはこの手を離さないよ。そしたら君、マカロンも食べられないし、パイプも吸えないし、ぼくが邪魔で本も読めないけど、いいのかい?」
「ヴィクトリカ、ぼくは君のことをもっと優しい子だと思ってたんだよ。ぼくの“一番大切な友達”なのに……」
「わかったよ。もういいよ。ヴィクトリカのいばりんぼ!ぼくはもう君なんて知らないからね!」
く、久城のくせに生意気だッ!
しかも、しかもだ!この後に、いつものプレゼント(サンドイッチ)攻撃!
アブリルの好物を惜しげもなく、譲るなァ──ッ!
ええい、もう我慢できん!
一弥ああああああああっ!!!!!
この男を見ていると…
ムカつくっ!
腹が立つっ!
この気持ち…理屈じゃないっ!!!
砕け散れっ…一弥ああああああっ!!!!!
ほら、ヴィクトリカも何か言ってやれ!
「倦怠、退屈、逡巡。それだけが私の友だ」
「あと、ぼくね」
「…………(微笑)」
認めるなああああああっ!!!!!
『ばかっぷる、ここに爆誕』!!!
…もう、好きにして(部屋の隅っこで反省会
で、将来性というか、これからの展開。
キーパーソンになりつつある赤毛の奇術師──ブライアン・ロスコー。
彼の暗躍が気になる…その目的も。
しかし、ここでまたも一弥がシェルブリットを炸裂させる(させてません
相変わらず、直接的なバイオレンスな描写が似合わない作風だけど、ようやく一弥にも思い切りと技量が──決意に変わったというか。
日々研鑽している武術が実ったというか──これから、降りかかるであろう理不尽な事態を前に果たして、彼はヴィクトリカの騎士(ナイト)足りえるのか?
ここで、ブライアンが“美しき怪物(モンストル・シャルマン)”と言ってるのが、今回のキーワードのひとつ『(黒き)怪物』と対を成していいカンジ。
まあ、誰のことかは言わなくても分かるだろうし、やはり彼女の存在(頭脳)はこれからの重要な鍵となりえるわけどすな(なぜか京都弁
そして──見え隠れしている世界大戦(ワールド・ウォー)の残した負の遺産と。
今まであえて触れなかったけど、新しい戦火の予感。
これにはヴィクトリカの父親方──ブロワ家が絡んでいるあたりも見逃せない。
実際、今回のリヴァイアサン事件(正確にはその時代、当時)にも大きく関わっていたわけだし。
錬金術っていうと、やっぱ人造人間(ホムンクルス)だしなぁ…その兵士化計画はまさにヨーロッパの暗黒史──
ただ、この先の展開を考えると、やっぱいい気はしないんだよなぁ…
このままいけば、当然アレが起こるわけで…そうなるとヨーロッパと日本の情勢は──
世界を飲み込む、大乱の前にふたりはどうなるのか今から、不安でならんわけですよ…
余談…なのかどうなのかわかんないけど。
今回のイラストの気合いの入り様ってなに?
全てが尋常でないレベルの高さ。日向さん、あんたまだこれだけの力をっ…!?
カラーは元より、すげェし(でも、表紙のふたりの身長比はちょっとおかしいかなw
髪を下ろしたグレヴィールの兄貴はレア!
フリルボール・ヴィクトリカ!!
ビスクドール・ヴィクトリカ!!
一弥とヴィクトリカの取っ組み合い!
クライマックス、見よ黒き怪物の正体を!
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…ごちそうさまでした(てかてか ←やたらすっきりした顔で
てか、このシリーズ見てるとさ。
無性にマカロンが食べたくならね?
ちなみにマカロンとは…
16世紀にフランスの国王アンリ2世のもとに、イタリアのフィレンツェからカトリーヌ・ド・メディシス姫が嫁いだ際に、数多くのお菓子と共に伝えられたもの。イタリアが元祖と言われていますが、それをフランス各地でアレンジされ広まったとされています。ロレーヌ地方のメレンゲを使わない、表面がひび割れした「マカロン・ド・ナンシー」、北フランスの「マカロン・ダミアン」、ボルドー地方の「サン・テミリオン」、そして最もポピュラーなのが表面がすべすべして、まわりにピエ(フランス語で足)のついた、クリームを挟んだパリの「マカロン・パリジャン」。現在、何百種類とあるマカロンは底知れぬフランス菓子の逸品であるでしょう。