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ボランティア受け入れ万全 余剰人員問題を解消 石巻
 | 被災者宅で汚泥を片付けるボランティア=13日午前10時半ごろ、石巻市大街道南1丁目 |
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東日本大震災で全国から多くの災害ボランティアが駆け付けている宮城県石巻市で、活動を円滑に進める態勢が徐々に整ってきた。長期滞在者向けにテントの設置スペースを確保したほか、被災地のニーズに応じた人材を派遣できるよう調整する組織も発足、これまで指摘されてきた余剰人員の問題を解消した。石巻から東松島市や女川町など周辺の被災地に向かうボランティアも現れており、支援活動の拠点としての役割も期待されている。 同市南境の石巻専修大。市災害ボランティアセンターが3月15日に開設されて以来、全国の支援者が1日に約700〜1000人出入りする。 同大は市と3月末に締結予定だった災害協定に基づき、地震発生直後からグラウンドや駐車場約4万平方メートルをテント村の用地として開放した。センターも市と協議し、テント村のスペースとして市有地を借りる準備を進めている。 NPOや非政府組織(NGO)の専門性を被災地のニーズに合致させようと、石巻を訪れた団体を取りまとめる「石巻災害復興支援協議会」も同大を拠点に発足した。協議会にはこれまで、全国から約100団体の1000人が登録。医療班や「心のケア」班、情報収集班など八つの分科会を構成し、市やセンターに集まる被災者からの声を人材の派遣に反映させている。 個人宅のがれき撤去の需要が市内全域で急増していることから、協議会は日ごとに地区を決めて作業する「ローラー作戦」を実施し、効率的な作業を目指している。 石巻を拠点に、ほかの自治体に赴くボランティアも増えた。宮城県南三陸町などで被災者のケアに当たった大阪市の整体師津田啓史さん(49)は「情報が集まるので、心置きなく活動できる」と満足げ。同県女川町で高齢者を移送した札幌市の滝桃子さん(28)も「最初はどこで何をすればいいか分からなかった。今は毎日計画を立てられる」と話す。 協議会の伊藤秀樹会長は「情報と人材の集約が軌道に乗りつつある。今後も機動的に活動したい」と話している。 (土屋聡史)
2011年04月19日火曜日
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