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警戒区域の家畜殺処分 福島県、所有者同意で実施へ

産経新聞 4月25日(月)7時56分配信

 福島県は24日、東京電力福島第1原子力発電所周辺で立ち入り禁止となった警戒区域内で、避難時に畜舎に残したり、放牧したままになっている牛や馬などの家畜について、所有者の同意を経て殺処分する緊急対応をとることを決めた。25日から5月末まで順次実施する。

 県の昨年10月時点でのまとめでは警戒区域内には牛4千頭(297戸)、豚3万頭(9戸)、鶏63万羽(25戸)、馬100頭(45戸)が飼育されている。

 原発事故から時間がたつにつれて市街地などで徘徊(はいかい)する家畜が確認されている。また“野生化”した家畜が民家などを荒らす恐れが指摘されており、畜舎内で死んだ家畜が放置されたまま衛生上の問題が発生する恐れもあるという。

 県家畜保健衛生所や畜産団体の獣医師らが福島県警の協力を得て対象9市町村のうち放射線量が高い大熊、双葉、浪江町などを除き、各市町村に1日4時間程度、防護服で立ち入る。

 放牧家畜のうち健康なものは畜舎に戻す考えだが、瀕死(ひんし)の状態や放置されたままの家畜は耳の個体識別用の「耳標」などで所有者を確認。所有者が同意した場合に限り殺処分する。死んだ家畜には消石灰をまき、ブルーシートをかぶせて害虫発生を抑える。

 福島県の畜産家の間からは家畜を警戒区域の外部に出し、保護する「圏外移送」の要望が強く出されていた。しかし、国からの具体的な回答はなく「国の方針が決まらず難しい」(同県)と「圏外移送」を断念。強制的な殺処分を定めた家畜伝染病予防法で原子力災害を対象として定めていないため、所有者の同意を前提に殺処分する苦渋の選択に踏み切った。

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最終更新:4月25日(月)8時43分

産経新聞

 

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