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人気アイドルグループ・キャンディーズの元メンバーで、21日に乳がんのため55歳で亡くなった女優・田中好子(本名小達好子)さんの通夜が24日、東京・港区の青山葬儀所でしめやかに営まれた。田中好子さんの代表作のひとつである、2001年放送のNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」で、家族役として共演した国仲涼子(31)、堺正章(64)、ガレッジセール・ゴリ(38)、山田孝之(27)も参列。“おかぁ”との早すぎる別れに、悲しみを募らせた。国仲は、亡くなる5日前の今月16日に病床の田中さんを見舞ったことを明かして、大粒の涙をこぼした。
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“ちゅらさんファミリー”も涙がぽろぽろこぼれ、文字通り涙(なだ)そうそうとなった‐。
ドラマでは田中さんと母娘役だった国仲は「いろんなものをもらってばかりで、私からは何もしてあげられなかった…」と両目に涙を浮かべ、うつむいた。ドラマは人気を博し、07年のパート4まで作られ、足掛け7年にわたって母娘役を演じてきた。歴史の分だけ悲しみが積もる。
番組終了後も田中さんが中心となり、何度も同窓会を開いていたという「ちゅらさん」の出演メンバー。中でも、田中さんと娘の恵里役だった国仲は本当の親子のようなきずなで結ばれていた。
「『体調が悪いので、“えりぃ”に会いたい』と言われ、すぐに行きました」と今月に数回、詳しい病状は伝えられないまま見舞いに訪れていたという。最後に会ったのは亡くなるわずか5日前。「会話は難しかったけど、私が来たのは分かってくれて、『ニコッ』としてくれました。『早く元気になって鍋パーティーをしましょう』と話して…」と早すぎる別れに、涙がただただあふれた。
夫婦役だった堺は「朝から夜遅くまで笑顔を絶やさないのが、印象に残っています。役者を長くやっていても、彼女は何色にも染まらず、透明感を持ち続けてました」と在りし日の“愛妻”の姿を懐かしんだ。
田中さんはがんを公表せずに闘病し、女優業を続けていた。堺は「もっと生きて欲しかったけど、少しは楽になったのなら良かったのかな」と悲しみをこらえながら絞り出すように話した。
(デイリースポーツ提供)
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