統一地方選:前衆院議員の保坂氏が初当選 世田谷区長選

世田谷区長選で当選を確実にし喜ぶ保坂展人氏=東京都世田谷区の事務所で2011年4月24日午後11時25分、長野宏美撮影
世田谷区長選で当選を確実にし喜ぶ保坂展人氏=東京都世田谷区の事務所で2011年4月24日午後11時25分、長野宏美撮影

 第17回統一地方選後半戦は24日、市町村長・市町村議選と東京都の特別区長・区議選が投開票(東京の6市区は25日開票)された。現職の引退で5新人が出馬した東京都世田谷区長選は、脱原発を訴えた前社民党衆院議員の保坂展人氏(55)が激戦を制し、初当選を果たした。福島第1原発事故に伴う放射性物質拡散への危機感が高まる中、有権者の原発不信が保坂氏を押し上げた。【神足俊輔、長野宏美】

 保坂氏は24日夜、東京都内の選挙事務所で「新しいエネルギーの開発を音頭を取ってやりたい。そんなパイオニアの地域にしたい」と抱負を語った。党を挙げて脱原発を掲げている社民党は、保坂氏の当選について「時代の流れだ」(福島瑞穂党首)と歓迎している。

 保坂氏は今月6日になって区長選への出馬を表明し、社民党を離党し、同党と国民新党などの支持を受けた。選挙戦では「原発依存から脱却し、自然再生エネルギーへの転換」「区内に被災者を受け入れることが必要」などと強調。衆院議員当選3回の知名度も生かし、出馬表明の遅れを取り返した。

 世田谷区は人口84万人で東京都内最大のマンモス自治体。自民党は、区長選で党都蓮が民主党会派に所属していた前都議を推薦する一方、地元総支部は別の候補者を立てるなど分裂した。民主党も独自候補を擁立し、民主、自民とも混戦模様の展開となり、保坂氏には有利に働いた。

 福島党首は3月30日、菅直人首相に対し、原子力安全・保安院を経済産業省から分離するよう申し入れるなど、脱原発を通じ社民党の存在感をアピールしてきた。区長選の勝利を踏まえ、今後、国政での脱原発への動きをさらに強めそうだ。

毎日新聞 2011年4月24日 23時53分(最終更新 4月25日 2時59分)

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