2011年4月25日1時14分
衆院愛知6区の補欠選挙と第17回統一地方選の後半戦が24日投票され、一部を除いて開票された。衆院補選は自民元職が「減税日本」の新顔らに大勝。民主は不戦敗だった。統一選では民主は事実上の民自対決になった津、大分両市長選で勝利したが、市議選では自民の議席を大きく下回り、政権党としては不振だった。東日本大震災の影響で被災地の選挙が延期され、原発の安全性も争点となった。
前半戦敗北に続く不振で、民主党内で菅直人首相への批判が強まるのは確実だ。小沢一郎元代表は24日夜、国民新党の亀井静香代表と東京都内で会談し、震災復興に向けた政治体制について意見交換した。
震災対応の第1次補正予算案に協力姿勢を見せる自民、公明両党も6月の国会会期末をにらみ首相批判を強める構え。自民の谷垣禎一総裁は24日夜、「首相が本当に震災対策をやれるのか、多くの有権者が疑問を持っていることを示した」と記者団に語った。
衆院補選では、自民の丹羽秀樹氏が当選。名古屋市の河村たかし市長が代表の減税日本は、新顔の川村昌代氏を擁立したが、東日本大震災で復興や原発に争点が移り、届かなかった。当日有権者数は41万8455人、投票率は41.94%で、2009年衆院選の69.87%を大きく下回った。
津市長選は10日の三重県知事選に前市長が立候補したことに伴う。知事選では民主が自民に敗れたが、市長選は、民主系の元総務省官僚の前葉泰幸氏が自民推薦の元国土交通省官僚に競り勝った。大分市長選は、現職で元民主衆院議員の釘宮磐氏が自民推薦の前県議会議長を大差で破った。
これまでの統一選の市議選の当選者は無所属が6割程度を占めるなど政党色は薄い。民主結党以来の過去3回の市議選について議席の多い政党順に並べると、いずれも公明、共産、自民、民主となっている。民主は前回の374議席を上回ったものの、自民は500議席を超える見通しで、政権党として有権者への浸透に課題が残った。
民主は統一選の前半戦は、民自対決型となった北海道、三重の知事選で2敗。道府県議選では前回より議席を増やしたが、自民の3分の1に及ばず、敗北した。後半戦でも伸び悩み、統一選全体として低迷した。
一方、北陸電力志賀(しか)原発がある石川県志賀町議選では、前回落選した元職で原発運転差し止め訴訟の元原告団長がトップで返り咲いた。東京電力柏崎刈羽原発のある新潟県刈羽村議選でも反原発を掲げた新顔が当選。東京都の世田谷区長選では脱原発を訴えた前社民党衆院議員の保坂展人氏が初当選した。