JR東北線は、震災の影響で運休していた宮城県や岩手県の2つの区間で21日から運行を再開し、震災からおよそ40日ぶりに全線での運行が始まりました。これによって、同じ線路を貨物列車が利用することも可能になり、被災地との輸送時間は大幅に短縮されます。
JR東北線は、不通になっていた仙台駅と岩手県の一ノ関駅の間と、宮城県の岩切駅と利府駅の間で21日、運行を再開しました。これで、震災からおよそ40日ぶりに全線で運転が再開され、仙台駅のホームは通勤などの人で混雑していました。仙台市の会社に勤める30代の男性は「これまで1時間かけて自転車で通勤していましたが、20分ほどで通勤できるようになりました。復興に向けて、一歩進んだ感じがします」と話していました。60代の男性は「毎朝、渋滞を避けるため早起きして午前6時に家を出ていました。これからは少しゆっくりできて助かります」と話していました。一方、東北線の全線復旧に伴って、これまで運転を見合わせていた貨物列車の仙台と盛岡の間も運転を再開しました。JR貨物によりますと、震災のあと、被災地への物資は日本海側を経由したり、トラックに移し替えたりして輸送を行っていましたが、これからは所要時間が大幅に短縮されます。燃料の場合、横浜から盛岡まで26時間かかっていた輸送時間は、半分以下の11時間になるということです。JR東日本では、30日ごろに東北新幹線でも全線で運転を再開させたいとしています。