ノルウェー 多雨のためにチェルノブイリ事故による羊の放射能汚染レベルが昨年の2倍以上
06.10.30
チェルノブイリ原発事故(1986年)による異常に高レベルの放射能汚染汚染で羊のと畜に関する厳しいコントロールが課されたてきたノルウェーでは、事故から20年を経た今でも36の高地地域でコントロールを必要としており、今年は羊1kgあたりのセシウム137のレベルが前年の2倍以上の7000ベクレルに達した。
一部農民は、セシウム137のレベルを同国の安全限界である1kgあたり600ベクレル以下に引き下げるために、今や非汚染飼料を与えねばならないと畜前1ヵ月の期間を2倍に増やさねばならないという。NewScientist.comが伝えた。
Chernobyl haunts the Norwegian uplands,NewScientist.com,10.28
http://www.newscientist.com/article/dn10393-chernobyl-haunts-the-norwegian-uplands.html
ノルウェー放射線保護機関(NRPA)は、今年は雨が多く、キノコが大豊作になり、羊が大量のキノコを食べたために問題が生じたと言う。以前の研究では、菌類は草やその他の植物よりも一層多量の放射能を土壌から取り込むことが分かっているという。
NRPAのPer Strand環境放射能部長は、予防措置により販売されるラムの安全性は確保されると強調するが(キノコは大丈夫なのだろうか?)、事故から20年も経た後にもこれほどの高レベルの放射能が発見されたことに驚いている。当初、20年後のこれほどの高レベルの汚染を予想した者は誰もいなかったと言う。
今年のノルウェーの気候は、世界の多くの地域と同様、異常続きだった。夏は記録的な暑さと乾燥の後、8月には43年ぶりの大雨に見舞われた(Wettest August in 43 years,Aftenposten,8.28)。
関連情報
チェルノブイリ事故後20年 なお苦しめられる英国羊農民,06.4.15