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県医師会:知事選で落選の塩見会長、処遇巡り異論 理事会で「辞任」の声 /奈良

 ◇来月11日に臨時代議員会

 知事選(10日投開票)で落選した県医師会長、塩見俊次氏(61)の処遇を巡り、医師会が揺れている。塩見氏は会長続投の意向を示しているが、20日の理事会では辞任を求める声が出た。このため、5月11日に臨時代議員会を開き、採決して決めることになった。地域医療の再生に向けて県と医師会の連携は不可欠だが、医師会内の混乱が影響を及ぼす可能性も出ている。【阿部亮介】

 代議員会は、各地区の代議員48人で構成する議決機関。告示日の代議員会で、塩見氏が会長職のまま知事選に出馬することを承認。政治団体「県医師連盟」は塩見氏を推薦し、親しい医師らが選挙戦を支えた。

 一方、22年間会長を務めた前任の有山雄基氏は荒井正吾知事(66)の後援会長。選挙中、元医師会幹部ら約30人が荒井氏の事務所に激励に駆けつけるなど、事実上の分裂選挙になった。

 開票の結果、荒井氏が約29万票で再選され、関西広域連合への参加を訴えた塩見氏は約22万票で落選した。塩見氏の任期は来年3月までだが、20日の理事会では一部の理事から「責任を取って会長を辞めるべきだ」との意見が出た。一方、続投を支持する声も挙がった。5月11日は、塩見氏が今後の医師会運営などの所信を説明し、理解を求める。採決で過半数を獲得できれば続投する見通しだ。

 県医師会の元幹部は「選挙に負けたのだから、会長職にとどまるべきではない。県と協力関係を築けるか疑問だ」と話す。これに対し、若手の理事は「県に意見を言えるのは塩見会長しかいない」と、続投に期待を寄せる。

 ただ、塩見氏の続投いかんにかかわらず、知事選のしこりは残りそうだ。塩見氏の出馬の背景には、県と医師会の関係悪化もあったとみられる。09年2月には、塩見氏が会長の県医療審議会が認めなかった生駒市立病院への病床配分を、県が一転して認めたことに医師会が反発。県の協議会で医師会推薦の委員が辞任する事態に発展した。

 高度医療拠点病院の整備や病院・診療所の連携などを盛り込んだ県の地域医療再生計画の実現には、民間病院などの協力が必要になる。関係改善に向けた医師会の対応が問われている。

毎日新聞 2011年4月22日 地方版

 
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