魔鬼と電話で話していた時に、たまたまその話をした。
すると魔鬼は、次のように怒っていた。
「何でそうゆう大事な事を放ったらかしにすんの!
試験場に電話するとかしたん!?
もう子供ちゃうねんから魔鬼が居んでもちゃんとしてよ!」
獣は元々、ボーッとしてノンビリした気質なので、
面倒臭い事に関しては「Do it Now」がなかなか実行できず先延ばしにする癖があった。
さっき、コンビニで単行本を開くと、こんなページが出てきた。
獣にとって、魔鬼は母親のような存在で、
魔鬼は獣を子供のように思っていた部分があった。
獣は魔鬼と別れてから、何でも自分でやらなければならなくなり、
必然的に自立していった。
試験場に電話すると、更新期日が過ぎてから半年間は大丈夫だと言われ、
失効寸前のところでセーフだった。
そして、免許の写真を撮る為に金髪にした。
試験場に更新に行くと、免許証用の写真を別に撮られた。
その頃、大阪の不動産屋が訪ねて来て、獣の事務所を落札したと言ってきた。
獣は事務所から追い出される羽目になり、ピンチな状況に陥った。
「ピンチはチャンス」という言葉があるが、
「ピンチ=チャンス」なら、チャンスもまたピンチである(笑)
その頃、知り合いの金融屋から電話があった。
「着物のネットワーク会社を創るから、
会社直で無料で登録させたるから協力してくれ」との事だった。
獣はその有り難い話を丁重に断った上で、現状の話をした。
すると、このように言ってくれた。
「分譲マンションの差押さえ物件がいくらでもあるから、そこに住んだらええわ!
ワシ、中古車センターも経営しとるから車も好きなもん持っていけ」
有り難い話だったが、その話も丁重に断った。
何故なら、その人の事は以前も書いたが、本業は破産屋である。
弱者の味方で、多重債務者にとっては救世主的な存在だが、
明らかに全うな仕事ではない。
獣はどんな境遇であっても、そういう人達とは縁を切っていきたかったのだ。
マンションを借りるお金も引越資金もない状態だったが、
獣は名古屋に移住する決意をした。
L社の社長や副社長に、以前から「名古屋に住みなよ」と言われていて
決断できずにいたが、やっと決断する事が出来た。
名古屋は京都よりも都会だというイメージがあった。
その知らない地で、人生の再出発をしようと思ったのである。
そして、L社の近くにある分譲賃貸のライオンズマンションを仮押さえした。
家賃と共益費で7万円だったが、何とかなると思った。
だが、敷礼などで最初に約20万円が必要だった。
運送屋の帰り便の見積もりに来てもらい、3万円で運んでくれるとの事だった。
獣は23万円を作る為に断食を始め、20日間サプリメントだけで生活し、
酒と煙草も断った。
半年間、大食を続けていたせいで、断食はかなりキツかった。
しかも、酒も飲まないので余計にキツかった。
と同時に、会社から核酸ドリンクを送ってもらい、小売りで資金作りをした。
ある日、しばらく使っていなかった通帳の記帳に行った。
すると、竹内という知らない名前の人から5万6550円が振り込まれていた。
この中途半端な金額に心当たりは全くなかった。
だが、そのお金は、元々の残高と一緒に「差し押さえ」で引き落とされていて、
手にする事が出来なかった。
サラ金各社に葉書を出したのは、この後だったかも知れない。
これは度々紹介している「ディム・ボガー」というバンドだが、
シンフォニック・ブラックメタルで獣がクレイドルの次に好きなバンドである。
世界的にもクレイドルと並んで人気が高いらしい。
このジャンルを聴いてもらう事にも全て意味があるので、聴いてもらいたい。