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東日本大震災:福島第1原発事故 3号機がれき900ミリシーベルト

 経済産業省原子力安全・保安院は23日、東京電力福島第1原発の3号機原子炉建屋付近で、毎時900ミリシーベルトの放射線を出すがれきが20日に見つかっていたと発表した。同建屋では3月14日に水素爆発が発生。放射性物質に汚染された建屋の一部が飛び散った可能性があるという。

 がれきは縦30センチ、横30センチ、高さ5センチのコンクリート片。20日午後1時半ごろ、放射線量の定期調査中、建屋西側で線量が高かったため調べたところ、このがれきを見つけた。21日、作業員が1人で重機で回収し、鋼製のコンテナに保管した。コンテナから約1メートル離れた場所の空間線量は毎時1・1ミリシーベルト。東電によると、この作業員の21日の被ばく量は3・17ミリシーベルトだったという。

 同原発では、復旧の支障となるがれきの処理を急いでいる。これまでに確認されたがれきの放射線量は高いものでも1時間に100~200ミリシーベルトで、今回の線量が最も高い。周囲に高線量のがれきがあるかどうかは不明。

 東電によると、累積被ばく量が100ミリシーベルトを超えた作業員が23日、30人(うち東電社員27人)に達した。

 がれき発見から発表まで3日かかったことについて、保安院の西山英彦審議官は23日の会見で「高線量のがれきが見つかったことは耳にはしていたが、東電のきちんとした報告を待っていた」と釈明した。【藤野基文、関東晋慈、阿部周一】

毎日新聞 2011年4月24日 東京朝刊

 

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