人事は、どうだったか?
目の前に産声を上げようとしている「日心会を成立させ、役割を担わせること」・・・それこそが、かぐやひめの唯一の希望の光だった。
「企画書を書き上げて完成したら、会員募集をかけて船出する」という、ねずきち氏。
そこは、手出しができない。
だったら、かぐやひめに、何ができるだろうか・・・
「私以外に協力者はいないのですか?」と何度か尋ねた。
「あなただけです」の返事をもらうと、私は焦った。
ねずきちさんの片腕が必要だ。
かぐやひめは関西に住んでいるから、アシスタントとしての実際の役には立たない。
ねずきちさんのために、信頼できる最初の核を作らなければならない。
3人という核を作らなければならないと、私は考えた。
3と言う数字は、非常に固い結束を作るからだ。
ねずきち+かぐやひめ+もう一人
もう一人は、関東在住で、男性で(何といっても日本の現状は男社会である)、ねずきちさんより少し年下で、律義な番頭さんタイプがいい。
コメント欄から探すしか、方法はなかった。
それで、前々から目を付けていた好人物のAさんに、白羽の矢を立てた。
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選挙は、惨敗だった。
「一日も早く会員募集をかけて欲しい。今の悔しさが冷めないうちに」と私は言った。
「いつにしましょう?」ねずきち氏から、最後の相談があった。
「9月6日日曜日がいい。」私は、そう返事した。
「日曜日なら、勤め人でも一日中ネットを見れる。それに、この日は、何か大切な日だったから」
「わかりました。9月5日の深夜に発表します。」
でも、彼は、最後の整備に手間取り、夜が明けて初めて「日本の心をつたえる会誕生のお知らせ」が出た。
9月6日の朝が明けて、ようやく思い出した。
この日は、数十年後の天長節・悠仁親王さまのお誕生日だった。
また、MLというものを、その日初めて知った。
日ならずして、AさんからMLに「お友達申請」が来た。
即座に返信した。「私の個人アドレスに連絡をください。あなたに大切なお願いがあります。」
Aさんから、すぐにメールが来た。 私は「ねずきちさんを支えてくれる幹部を探している」と告げた。
「ねずきちさんを男にしてくれる人を探しています。」
「彼は、これから、いろんな政治家や保守団体の幹部に会いに行くと言っています。
でも、お供をつれずに、独りで行ったら信用がありません。賛同者がいることを、見せなければなりません。
だから、Aさん、申し訳ないけど従者に徹して、徹底的に親分を立ててやってください。
人は、一人でいても値打ちはないのです。かしずいて、立ててくれる人があることで、偉そうに見えます。その役目をあなたにお願いしたい。」
彼は二つ返事で引き受けてくれた。
これでいい。
私は、大喜びで、彼の連絡先をねずきち氏に教えた。
「あなたの子分ができました。
あとは、直接会ってみて、それぞれで今後のことを判断してください。」
ところが、あんなに私のメールに即座に返信をくれていたねずきち氏から、返信がこない。
9月6日の立ち上げ以降は、メールのやりとりを、私も控えた。
向こうからも来ない。そのまま2日が過ぎた。
もう一度、Aさんに尋ねる「連絡はありましたか?」「ないです。」
ならば、このアドレスに直接連絡してください。
覇権というものを、形づくるのは「人事」と「金」である。
ねずきち氏が会長として覇権を握りたかったら、一番大事なのは、身近に仕えてくれる子分なのだ。
私は、もう一度ねずきち氏に連絡を取る「Aさんに、連絡して会ってみてください」そうして、ようやく前進した。
「今度、いつ会うことになりました」と知らせてくれたのも「会いました」という返事をくれたのもAさんだけだった。
ねずきち氏からは、なんの連絡もない。
なぜ?人事こそ一番大切なものなのに。
ここを、間違えると一歩も前に進めないのに。
一度も、誰を幹部にしたらいいだろうかという相談がなかった。
こうして、10月末を迎え、第一回関東会議の日が来た。私はくれぐれも、Aさんにお願いした。
「あなたがねずきちさんをどう扱うかで、今後彼が皆にどう扱われるかが決まります。」
会議が終わり、Aさんから、報告が入った。
彼が、どれほど心を砕き、至れり尽くせりに動いてくれたか、MLのコメントを見れば、うかがえた。
「Aさん、ありがとう。あなたは、本当に素晴らしい人です。感謝しています。」
「なんのなんの、これしきのこと。それよりBさんとCさんが、よく手つだってくれましたよ。」
しかし、ねずきち氏本人からかぐやひめに一言の連絡もなかった。
その頃になれば、それはかぐやひめにとって、むしろ当たり前になっていた。
「釣った魚に餌は、いらん」という言葉を何度か思い出した。
かぐやひめ「ねずきちさんは、Aさんにお礼を言いましたか?」
Aさん「お礼だなんて、お礼を言ってほしくてやってるんじゃないよ」
かぐやひめ「わかっています。でも、それは間違っています。
彼は、あなたにお礼を言わなければなりません」 やがて、かぐやひめとAさんの外にもう一人、女性の副会長がいることを、ねずきち氏からの私信ではなくMLのお知らせ欄で私は知ることになる。
(以上は、すべてメールのやりとりで、かぐやひめは、ねずきち氏と面識はないままだった。)
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