甲府市宝2で21日夕に住宅が全焼し、住人の無職、白木国江さん(83)とみられる遺体が見つかった放火殺人事件で、山梨県警捜査本部は23日、白木さんの預金口座から無断で現金を引き出したとして、同居している孫2人の兄弟のうち、兄の無職、基之容疑者(27)を窃盗容疑で逮捕した。基之容疑者は容疑を認めており、捜査本部は今後、放火殺人事件についても追及する。
逮捕容疑は22日午前9時ごろ、同市寿町の銀行の現金自動受払機(ATM)から、勝手に持ち出した白木さん名義のキャッシュカードで現金20万円を引き出したとしている。
捜査本部によると、基之容疑者は火災後から行方が分からなくなっていたが、22日夕、自宅近くのパチンコ店にいるところを捜査員に発見された。
捜査関係者によると、基之容疑者は建設会社を退職した数カ月前から無職。白木さんと就職を巡って口論する声を、近隣住民が度々聞いていたという。
火災は21日午後4時半ごろ、近所の男性が119番、木造平屋約85平方メートルを全焼した。基之容疑者は弟の男性会社員(23)と白木さんの3人暮らしだった。【春増翔太、山下智恵、水脇友輔】
毎日新聞 2011年4月23日 11時41分