東北地方などで風力発電をさらに導入した場合に見込まれる発電量を環境省が試算したところ、最大に見積もって現在の国内での原子力による発電量を上回ることが分かりました。環境省は、東日本大震災からの復興に向けて風力発電をはじめとする自然エネルギーの導入を提案していく方針です。
環境省の試算は、自然エネルギーで発電された電力を電力会社が一定の価格で買い取る制度が導入されることを前提に行われました。その結果、風力発電は、風が吹くときだけ発電するため、稼働率は原子力や火力に比べて低いものの、最大に見積もって1億4000万キロワットの電力を生み出すことが可能で、国内全体の発電量のうち原子力で賄われる量を上回ることが分かりました。ただ、風が強い東北地方や北海道では採算性が高いものの、ほかの地域に送電する能力に限界があり、試算どおりに導入することは短期的には難しいとしています。一方、太陽光や水力、地熱といった自然エネルギーの試算では、コストや技術の面で現段階では風力発電ほどの電力量は見込めませんでした。環境省は、今回の試算を踏まえて技術開発などを推進し、東日本大震災からの復興にあたって風力発電をはじめとする自然エネルギーの導入を提案していく方針です。