東京電力福島第一原子力発電所の事故で、使用済み燃料プールを支える壁に損傷が見つかった4号機について、東京電力は、冷却のためにプールに入れている水の量が多すぎると重さで損傷が激しくなるおそれがあるとして、水を入れている特殊な車両の先端に水位や水温を測る装置を付け、どのくらいの量の水を入れていくのが適当か、22日から調査を始めました。
福島第一原発の4号機は、地震発生当時は定期検査中だったため、5階部分にある使用済み燃料プールには、第一原発の中で最も多い核燃料を束ねた燃料集合体1535体が入っていましたが、震災のため、海水を使った本来の冷却機能が失われました。今月12日に水温を調べたところ、およそ90度と通常の2倍以上の温度になっていることが分かり、東京電力は、熱で水が蒸発して燃料が露出しないよう、1日70トンのペースで水を入れています。しかし、4号機は先月の爆発でプールを支える建屋の壁が損傷しており、水を入れすぎると重さで建屋そのものの健全性が失われるおそれがあるとして、東京電力はどのくらいの量の水を入れていくのが適当か、22日から調査をはじめました。方法としては、水を注入している特殊な車両のアームの先端に、水位と温度を測ることができる装置を付け、水を入れた量と水位などを比べて、蒸発した量を推測するということです。東京電力によりますと、22日の調査で、水温は91度、水位は燃料からおよそ2メートル上になっていたことが分かったということです。4号機は、事故の収束に向けた工程表の中で、プールの底を支える柱を設置する対策を取ることになっています。