記事入力 : 2011/04/19 13:50:14
【コラム】小さな町の小さな飲食店が「一流」になるワケ(上)
この店についての記事が3月8日付の本紙に掲載された。「著名な飲食店が値上げ競争」というタイトルの記事で、全国22カ所の著名な飲食店の一つとして紹介されたのだ。ところが、「プンファ・キムパプ」だけは記事の内容がタイトルとは異なっていた。「著名な飲食店が値上げ競争を繰り広げる中、値上げを絶対にしない店」として紹介された。多くの店で、おかずに使う大根やイカの価格が上昇したことを理由に、忠武キムパプの価格をこれまでより500ウォン(約37円)引き上げたのに対して、「プンファ・キムパプ」は4000ウォン(約300円)を守り続けているというわけだ。
店主のキム・ミンスクさんに電話で取材した際「薄利多売(一つの商品の利益を少なくして大量に売り、全体として利益が上がるようにする)を信条としているのか」と尋ねたところ、「小さな田舎町の店なので、どれだけ売れて、どれだけ売れ残ったのか、計算したこともない。ただ、お客さんから『ありがとう』と言われるのがうれしい」と答えた。そして、最後にこう言った。「人から悪口を言われてまで、食べ物を売る商売はしたくない」
「プンファ・キムパプ」は、多くの店が「500ウォンの値上げ競争」を繰り広げる中、統営市にとって頼もしい味方になっている。同市は今月7日から、市内の飲食店や宿泊施設に対し「商品の価値に見合った価格を設定しよう」という運動を展開している。昨年500ウォンずつ値上げを繰り返した忠武キムパプの値段を元に戻そうという趣旨だ。現在、キャンペーンに参加している店は19店。「プンファ・キムパプ」のように、ほかの店が値上げする中で従来の価格を維持している店もあれば、「ターミナル食堂」のように、一度値上げした後に値下げした店もある。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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