国際【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 拒否された謝罪2011.4.23 03:14

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【外信コラム】
ソウルからヨボセヨ 拒否された謝罪

2011.4.23 03:14

 韓国の初代大統領、李承晩(在任1948~60年)は近年、建国の指導者あるいは北朝鮮の侵略から国を守った自由主義愛国者として再評価の声が高い。しかし「4・19学生革命」といわれる不正選挙糾弾と独裁反対の反政府デモで政権を退いたという経緯があるため、これまで左右あるいは保守・革新の間で評価が分かれてきた。

 「4・19学生革命」は民主主義の発露として憲法の前文にも盛り込まれ、ソウル市内には国立の記念墓地と記念塔があり毎年、記念式典が行われてきた。「何でもデモで解決」といった感じの韓国現代政治史の原点みたいなものだ。

 今年も19日、首相出席で記念式典があったが、今年は故李大統領の息子の李仁秀氏が当時のことを「謝りたい」と、保守派の李承晩記念事業会などとともに参拝に訪れた。李承晩には子供がなかったため彼は養子で80歳の老学者である。

 ところが「4・19」顕彰派や犠牲者遺族会などが「今さら何だ」「謝罪には心がこもっていない」「李承晩の再評価は認められない」などと反発。現場でもみあいとなり力ずくで追い返されてしまった。

 日韓間の“謝罪”をめぐる風景とどこか似ている。現実の政治的理由から謝罪される方が「まだ謝罪は受け入れたくない」のだ。(黒田勝弘)

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