【原発】米軍「放射能部隊」実質活動せず帰国へ(04/23 11:47)

 福島第一原発の事故の対応のためアメリカが派遣した原子力対策の専門部隊「シーバーフ」が、実質的な活動を行わないまま、来週にも帰国することになりました。

 日米で協力して除染訓練を行う様子を視察した北沢防衛大臣は、今回の派遣に対して繰り返し感謝の言葉を述べました。
 北沢防衛大臣:「放射線対処を専門とする米軍の最精鋭部隊が横田基地に常駐して自衛隊との演習を深めてきたことは、我が国の国民に非常に大きな安心感を与えた」
 しかし、感謝の言葉とは裏腹にシーバーフの活動をめぐっては、日米両政府で複雑な駆け引きがありました。関係者によれば、アメリカ側は原子力災害に対する「実践訓練や情報収集」が本来の目的だったということです。一方の日本側は、シーバーフが前面に出れば「日本は危険だ」との風評を広げてしまうのではないかと強く懸念するなど、双方の思惑に溝があったからです。結果として、部隊は実質的な活動はないまま東京の横田基地にとどまり、帰国を迎えることになりました。今回のシーバーフをめぐる対応は、友好ムードの裏側で日米の国益がぶつかり合っている事実を示したものとなりました。

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