進路を切り替えるポイントや列車の運転が自動制御できなくなるなどのシステム障害が20、21日と発生した福岡市営地下鉄七隈線(天神南-橋本)で22日も同じ故障が起き、午前のダイヤが乱れた。3日連続して通勤・通学時間帯の運行が遅れたことで市交通局は記者会見し「ご迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪した。中央制御所からの指令を受信する駅側の通信装置の異常が原因とみて調査している。
市交通局によると、障害が発生したのは、天神南、茶山、橋本3駅のポイントの切り替えや列車の自動運転、全16駅の案内表示や構内放送などを制御するシステム。20、21日も断続的に起き、中央制御所の通信装置を点検のうえ交換したが、22日も始発の午前5時半に異常が判明した。7時にいったん復旧したが15分後に再び不具合が生じたという。
このため、ポイントを手動に切り替え、通常は自動運転する車両も運転士が手動で操作した。午前10時半ごろにはほぼ正常のダイヤに戻ったが、14本が運休、7本に最大10分の遅れが出るなど5100人に影響した。午後1時現在、システムが復旧する見通しは立っていないという。
衝突を避ける自動列車制御装置(ATC)などは別系統のシステムで正常に作動している。交通局は「安全運行は確保されている」としている。
天神南駅では、遅延証明書を駅員から受け取り、走って会社に向かう人が目立った。梅林駅から乗車した男性(32)は「(スムーズな自動運転とは違って)ブレーキのかけ方が激しく、停車する際に立っている人たちがグラグラ揺れていた」と話した。
=2011/04/22付 西日本新聞夕刊=