被災水族館＆動物園が２３日再開、ペンギン赤ちゃんお披露目も

再開したマリンピア松島水族館で、泳ぐペンギンに笑顔を見せる子ども

　東日本大震災の被害で閉館していた宮城県松島町のマリンピア松島水族館が２３日、営業を再開し、震災時はまだ卵だったケープペンギンの赤ちゃんが来館者にお披露目された。仙台市の八木山動物公園も同日再開。ゴールデンウイークを前に、子どもたちの憩いの場が復活した。

　赤ちゃんは体長約２０センチで性別は不明。灰色でふわふわの産毛に覆われていた。２月２２日に生まれた卵２個のうち１個が今月２日にふ化した。

　普段は親鳥と巣箱にこもっているが、おそるおそる顔をのぞかせる場面も。子どもたちは盛んに「ペンギンさん」と呼び掛けていた。

　水族館は津波で１階が１メートル以上浸水。水質や温度を管理する循環ポンプが壊れ、ビーバーやマンボウ、保護していた小型クジラのコマッコウが死んだ。クラゲや熱帯魚の一部も死んだが、山形県の加茂水族館や大阪市の海遊館などからクラゲ１１種類、熱帯魚約３０種類の提供を受けた。西条博也企画・広報室長は「地域の子どもたちが、笑顔を取り戻す一助になりたい」と話した。

　八木山動物公園は午前９時ごろオープン。遠藤源一郎園長が「動物は安らぎと元気を与えてくれる」とあいさつすると、雨の中、訪れた家族連れから拍手が上がった。

　震災直後は餌が不足した影響などでチンパンジーが脱水症状となったり、カバが体調を崩したりしたが、全国の動物園や水族館から支援物資を受けるなどして回復した。

　２７日にはインドネシアの絶滅危惧種スマトラトラが加わり、５月２８日にお披露目される。

（2011年4月23日13時07分  スポーツ報知）

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