2011年04月08日

ヤプーズ(YAPOOS) - 去る四月の二十六日

ヤプーズ - 去る四月の二十六日 '88年


20110407Yapoos

 まだ平常運転に戻す気力がないので、今日も震災ネタだ。原発マフィアと御用マスコミの翼賛報道は全く信用出来ないので、色々調べているうちに、沸騰水型の原発の仕組みとか、放射線被曝についてなど、すっかり詳しくなってしまった。他にもそういう人は多いだろう。ネットを彷徨っていると、筆者の昔の知り合いが公の場で色んなことを発信しているのに行き当たったりする。本欄は政治ブログではないので、そういうイデオロギッシュな話は語らないつもりでいた。とはいえ、いったん自分の考えを整理しておかないと、前に進めそうもないので、ちょっと書いてみることにしよう。

THE BLUE HEARTS - チェルノブイリ '88年55位


この「チェルノブイリ」は、当時ブルーハーツが所属していたメルダックが、原発推進企業の三菱電機系列の会社だったので、発売許可が下りず、当時の所属事務所からのインディーズ盤としてリリースされた。同じような軋轢はRCサクセションと東芝EMIとの間でも起きた。反核ソング「サマータイム・ブルース」と「ラヴ・ミー・テンダー」収録の『カヴァーズ』も東芝からは発売出来ず、色々あってキティ・レコードから発売されている。レーベルの親会社の東芝に遠慮したのだとも云われたが、当時の邦楽部門のトップ石坂敬一氏(現ユニヴァーサル合同会社会長)の親族にまさに日本に原発を導入した原発マフィアの一人、元経団連会長の石坂泰三氏がおり、到底受け入れられなかったのではないかとも噂された。

RCサクセション - サマータイム・ブルース ~ ラヴ・ミー・テンダー '88年


原発マフィアのプロパガンダは凄まじく、いまや完全にタブー化しており、触れると死人が出るとも云われているらしい。もはや政治家でさえ、なかなか手を出せないとも聞く。そんな政財界へのロビー活動は、ロックフェラー系のユダヤのPR会社の日本支社が担当し、マスコミは電気事業連合会の加盟電力会社の各社広報がアメと鞭で飼い慣らす。大学などの研究機関には高額な寄付金を落とし、原発推進の御用学者を量産させる。政財界学会マスコミをひっくるめたアンタッチャブルな構造が何十年にも渡ってガチガチに出来上がって来たのだ。そうして出た成果が今回の震災後の原発報道でも如実に窺える。

佐野元春 - 警告どおり、計画どおり '88年9位


見る限り、現在まで原発の利権構造と事故に至るまでのいきさつを追及するテレビ報道は皆無である。全国紙などの活字メディアでは、ようやく今月になって読売新聞と共同通信が今後の原発政策についての世論調査を行ったが、普段内閣支持率など毎週のように世論調査を行う媒体も、今回は完全に腰が引けている。ドイツやスイスなど諸外国の世論調査を追随報道するばかりで、自国の言論を喚起しようという動きは見られない。いつもは率先して世論を誘導しようとする媒体がこの始末である。一部週刊誌はさすがに自戒もあってかこの問題を取り上げているが、それがうねりとなって大きく広がることはない。

ムーンライダーズ - 温和な労働者と便利な発電所 '82年


世論調査の結果も、この事故を契機に更に安全性を高めればよいという意見が依然マジョリティである。もはや原発なくして日本の今後のエネルギー政策はあり得ない、という御上のプロパガンダにすっかり洗脳されてしまったようだ。1000人程度の小規模な反原発デモなどもあるものの、それも殆ど報道されることはない。かつて三里塚闘争などを主導した左翼ゲリラは何をしているのだろうか。スリーマイルやチェルノブイリの事故の後は、音楽界からも幾つも反核ソングが作られ、アトミック・カフェなどのイベントも多数開催されたのだが、今回は震災チャリティでまだそれどころではないのかもしれない。と思ったところ、斉藤和義のこれを見つけた。なかなか痛快だ。

斉藤和義 - ずっとウソだった 2011年
 

前にも書いたが、筆者はただちに原発を止めよ、という立場には立たない。しかし、スリーマイル島事故以降、30年間も原発を造れなかったアメリカ同様、日本でも新規の建設は当分難しいだろう。高速増殖炉でプルトニウムをリサイクルするという実用化計画も、もんじゅの事故もあり、事実上2050年まで凍結される事になっている。とはいえ、諸外国ではリスクが高すぎると、とっくに撤退を決めた計画をまだ推進しようとしているのは何故なのか。

今回の震災を鑑み、今後のエネルギー政策を転換する事になるのは必至である。これまで原発マフィアにあの手この手で妨害を受けてきた自然エネルギー開発を、もはや推進せざるを得ないのだ。しかし、そちらに大きく舵を切ったドイツのような政策転換が、この国で果たして出来るのだろうか。原発マフィアとそれにぶら下がって生活している者は全員反対するに決まっているので、政治決断しかないのだが、民主党・自民党どちらが中心になっても、それは無理なような気がする。とはいえ、自然エネルギー開発に対しての補助金交付などは増額されるだろうし、何年もすれば、今よりずっと低コストで自然エネルギーから電力を作ることも可能になるハズだ。風力発電の低周波の問題を解消する発明もそのうち生み出されるだろう。電力会社が発電送電配電を地域独占する体制や、東西の電力会社で周波数が違う問題などは、やる気になれば解消できるはずだ。そう、これはおしなべて政治家のやる気の問題なのである。筆者が生きているうちに到底解決するとは思えないが、未来に禍根を残す決断だけはして欲しくないものだ。

RANKIN TAXI - いくら安全でもゴメンだ '88年


さて、原発関連ソングを並べた中で、筆頭に戸川純を挙げてみた。編集者時代に取材で会ったことがある、という単純な理由で選んだ。もっとも、ブルーハーツや佐野元春氏とも個人的に全く接点がなかったわけではないのだが、それについては稿を改めてそのうち書こう。彼女は事前の予想通り、摩訶不思議な人だった。筆者はインタビューアではなく、編集者として取材に同行し、予算もなかったので、自ら写真も撮って雑誌に掲載した。この人はインタビュー中にカメラを向けると、目線をこちらに向けたままポーズをとり、シャッターを切るまでその態勢を崩さなかったので、必要以上に大量の写真を撮る羽目になってしまったことを、筆者はよく記憶している。ライブもホールやクラブで何度も観た。小学生のコスプレで、背負ったランドセルに竹製の物差しを挿し、ライブ中にバタっと死んだ振りをしていた事など思い出す。六本木インクスティックでの夜中のライブの後、帰りのタクシー代がなく、歩いて帰ったことも憶えている。ああ懐かしい。

戸川純ユニット - 眼球奇譚 '85年



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アーティスト:ヤプーズ
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