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【芸能・社会】子ども役から悲しみの声続々 田中好子さん 急死2011年4月23日 紙面から
「本当の母親のような存在」「手の温かみを忘れられない」−。21日に乳がんのため55歳で亡くなった女優田中好子さんは、数々のドラマや映画で母親役を演じた。制作スタッフからの信頼は絶大で、親子役の間では演技を超えたきずなが生まれることもあった。優しく、時には厳しい“良き母”へ、子供役の俳優たちから22日、続々と追悼と感謝のコメントが寄せられた。 ◆山田優 「ママが大好き」山田優(26)と志田未来(17)が姉妹役で出演した日本テレビドラマ「正義の味方」。母親役を務めた田中さんへの思いを、山田はこう語った。 「普段からママと呼ばせていただき、本当の母親のような存在でした。いつも明るくて優しさいっぱいのママが大好きでした。ママの笑顔に癒やされ、いつもいつも笑いの絶えない現場でした。訃報を聞いた今もまだ信じられない思いです」 94年の日本テレビ系「家なき子」での母親役が注目され、その後もさまざまな母親を演じた。日本テレビの次屋尚プロデューサーは「これまで何度も母親役をお願いした。優しさと強さを持ち合わせたお芝居がとても魅力的だった」と語る。「一緒にいると安心感があって誰からも慕われていました」 サービス精神も旺盛だった。「打ち上げで山田さん、志田さんと3人で『新生キャンディーズ』といって、振り付けつきで『年下の男の子』と『春一番』を歌ってくださった。いつも明るくて、まさか闘病していたなんて信じられません」 ◆志田未来 言葉が出ない志田未来の所属事務所によると、志田は驚きを隠せない状態で、悲しみを言葉にできないという。 TBS系の「筆談ホステス」では、聴覚障害があるホステス役・北川景子(24)と衝突しながらも理解し合っていく難しい母親役を演じた。30年来の親友でもあるプロデューサーの志村彰氏は「まず、ものすごく芝居がうまい。スーちゃんがいれば安心できるので、いつも大船に乗った気持ちでした」と前置きしてから、「北川さんに厳しく当たるところで、嫌な人に見えると困る。でもスーちゃんなら絶対にそうならない。親子げんかも愛情として表現できる」と説明した。 私生活では子供はいなかったが、なぜこんなに母親役として求められたのか。志村氏は語った。「スーちゃんは人を好きになる天才なんです。人の悪口を言うのを聞いたことがない。キャストやスタッフのことが大好きだから、自然に周りからも好かれる。誰に対しても愛情を持ち、人を嫌いにならないことが『お母さん』に向いていたんだと思います」 ◆北川景子 ブログで「眠れぬ夜過ごした」「筆談ホステス」で娘役を務めた北川景子(24)は22日、ブログで田中さんへの思いを次のようにつづった。 「突然の訃報を聞いて、眠れぬ夜を過ごしました。『こうやって、芸能界にどんどん息子や娘が増えていくの。とってもにぎやかでしょう!』と田中さんが笑っていらしたのがたった一年と数カ月前のことでしたから、今はまだ、あまりに突然すぎる、そして悲しすぎる訃報にただただぼうぜんとするばかりです」 「私にとっての田中さんは、いつも笑顔でいらして周りを優しく暖かく見守り、気遣っていらっしゃる方という印象でした」 ◆深田恭子 「手の温かみ忘れない」フジテレビ系ドラマ「神様、もう少しだけ」(98年放送)で、女優深田恭子(28)が演じた女子高生の母親役を演じた田中さん。当時まだ無名だった深田にとっての出世作となり、田中さんがお母さん役として定着するきっかけとなった。 深田は、田中さんの急逝に大変なショックを受けており、所属事務所を通じて「いつも撮影現場で私の手をギュッと握ってくださいました。何度も何度も励ましていただいた田中さんの、あの手の温かみをいまだに忘れることができません。もうお会いできないなんて、もうお母さんを演じてもらえないなんて、とても悲しいです。心よりご冥福をお祈りします」とコメントした。 ◆小栗旬 「明るく優しいお姿思い出す」刑事もののコメディー「東京DOGS」(フジテレビ系)では、田中さんは主演した小栗旬(28)の母親役。とぼけたマイペースなキャラクターで新境地を開いた。 プロデューサーの鹿内植(しかない・つぎ)さんは「かっ飛んでいる母親だけど、ただの変な人じゃない。田中さんが演じれば、子供を思っているからこそ…という部分を表現できる」と起用理由を語り、早すぎる死を惜しんだ。 小栗は「突然の悲報に何と言っていいかわかりません。田中さんはとっぴな設定の僕の母親役を、本当にかわいらしいお母さんにしてくれました。ご病気をみじんも感じさせない、明るく優しいお姿だけが思い出されます。心からご冥福をお祈りいたします」とコメントした。 ◆ランちゃん あす悲しみの対面キャンディーズのメンバーだった伊藤蘭(56)は、所属事務所の関係者によると田中さんの訃報に大きなショックを受けており、現在はコメントを出せる状態ではないという。24日の通夜に出席し、悲しみの対面を果たす。 また、NHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」のヒロインとして、田中さんと親子役で共演した国仲涼子(31)も同様に、現在は精神的ショックが大きいため、通夜の際に取材陣に応対する見込みという。 ◆ゴリ 無念「心締め付けられる」NHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」に田中さんの息子役として出演したお笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリ(38)は、「しゃべり口調がゆっくりな方で、優しい気持ちにさせてくれる東京のお母さんみたいな存在でした」と振り返った。私生活でも何度か食事をしたそうで「何年たってもドラマでの役名『ケイショウ』で僕を呼び、本当の息子のようにいつも心配してくれました」。その上で「僕ももっと遠慮せずにお会いしておけばよかった。優しい人だから、周りに心配かけまいと、苦しい闘病生活も隠していたんですね。もう会えないんですね。心が締め付けられます」と無念さをにじませた。 ◆上地雄輔 「使命まっとうします」TBS系の「彗星物語」(07年)で親子役だった上地雄輔(32)も、22日のブログで「田中好子ママ。オイラが唯一この世界で『ママ』と呼ぶ人です」と、深い交流をつづった。仕事をやめたいという悩みを打ち明けた際に「それはね、ゆーすけの使命なのよ」と励まされたことを明かし、「今のオイラを生んでくれて。ありがとう。ママが言う使命ってやつをまっとうします」とあらためて誓った。 ◆杉浦太陽(30)07年の映画「0(ゼロ)からの風」で親子役。「当時(タレント辻希美と)結婚直後だったんですが、自分のことのように喜んで祝福してくれました。一緒にいると大先輩なのにすごく落ち着くというか、包み込んでくれるような、お母さんのオーラが出ていた。現場では闘病のことはみじんも見せず、いつも優しい笑顔とやわらかい空気を振りまいていた。亡くなったなんて信じられません。子供役で共演した人は、みな同じ気持ちだと思います」 ◇ 田中好子さんの通夜は24日午後6時から、葬儀・告別式は25日午前11時から、いずれも東京都港区南青山2−33−20、青山葬儀所で。喪主は夫小達一雄(おだて・かずお)氏。 PR情報
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