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岩崎宏美、大切な友の死を信じられず

 NHKの墨絵講座の番組収録をする師匠の片岡鶴太郎と生徒の田中好子さん、岩崎宏美(左から)=2003年7月28日、都内
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 NHKの墨絵講座の番組収録をする師匠の片岡鶴太郎と生徒の田中好子さん、岩崎宏美(左から)=2003年7月28日、都内

 元キャンディーズのメンバーで女優の田中好子さんの死去から一夜明けた22日、生前、親交の深かった歌手・岩崎宏美(52)が、デイリースポーツの取材に応じた。田中さんとはプライベートで一緒に食事やコンサートなどに出掛け、よき相談相手でもあった。ただ、病気のことは一切知らされていなかったため、岩崎は突然の悲報にショックで言葉を失い、涙が止まらなかったという。

  ◇  ◇

 まさかの悲報だった。「スーちゃん」「宏美ちゃん」と呼び合ってきたが、92年から続いていた田中さんのがん闘病は知らされていなかった。「ショックで声も出ませんでした」。関係者からの連絡で打ちひしがれた岩崎は、一夜明けたこの日も、大切な友の死を信じられない様子だった。

 同時代を人気アイドルとしてともに歩んだ。田中さんが3歳年上だったが、東京の下町育ち同士でもあり、ウマがあった。78年のキャンディーズ解散後、田中さんが80年に芸能界復帰したころから特に親交は深くなった。「プライベートでよく会いました。片岡鶴太郎さんから一緒に墨彩画を習っていました」。時間があれば食事に誘い合い、米国人歌手ドナ・サマーのコンサートも一緒に行った。岩崎の公演は毎回、田中さんが自身でチケットを手配し、来場していたという。

 09年5月、田中さん主演ドラマ「嫁の座」(フジテレビ)での共演は忘れられない。田中さんの女優転身後は、ともに仕事をする機会は少なかった。それだけに、田中さんから親友役として、「一緒に出てよ!」と強く誘われた同作は印象的だ。「あの時『やや体調が悪い』と言っていたのですが、すでにがんが発症していたとは。私はまったく気が付きませんでした」。いま思い返せば闘病のせいだった。「髪の毛もウイッグを使用していたので、治療の影響もあったのかもしれません」とうつむいた。

 最後に会ったのは昨年10月だった。田中さんの都内の自宅前を通った際に偶然、顔を合わせた。「オーストラリアに行くので、宏美ちゃんのコンサートに行けなくなっちゃった」。これが最後に交わした言葉だった。「いろいろ語り合ったこともたくさん思い出します。今は心よりご冥福をお祈りいたします」。岩崎の脳裏には、わずか半年前の笑顔がまだ焼き付いて離れない。

(2011年4月23日)

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