2007年に、東京で行われた世界フィギュアスケート選手権はとてもいい大会だった。安藤美姫が優勝し、浅田真央が銀メダルを獲得した、あの大会だ。
素晴らしかったのは、選手だけではない。観衆も素晴らしかった。国籍に関係なく、リンクを拍手と歓声で包む。日本は選手をとても温かく迎える国だ。私は「2007年・東京」を誇りに思う。そして、同じ地で行われる、4年ぶりの世界選手権「2011年・東京」を歓迎する。
「日本勢が優勝する」という夢を見たくなる舞台・東京。
3月21日から行われる今年の大会は、過去にも増して熱い闘いが繰り広げられるだろう。男女シングルに、日本は最強の布陣で臨む。
注目を集める女子は、浅田、安藤の両エースに加え、2009-2010年世界ジュニアチャンピオン、村上佳菜子が初参戦する。
浅田は現世界チャンピオンであり、安藤は今シーズンの全日本チャンピオンである。また、村上はシニアデビューの今季、グランプリファイナルに進出し、安藤らを抑え日本人最上位(3位)となっている。
夢を見て、なにが悪いだろう。日本勢が優勝するという夢だ。
彼女たちは、申し分のない力を持っている。それをそのまま発揮してくれれば、優勝も叶うのではないか。チャンスはある。大いにある。
夢を見るのに、「東京」はとてもよい舞台だ。今後、ロシアを筆頭に若い世代が、世界で台頭してくる。予想ではなく、確実に、である。トリプルアクセルを複数の選手が跳ぶ。たとえば、そんなふうに変わってゆく。
日本の選手には、国の代表としてだけではなく、自身の幸せのために勝ってほしい。とくに、浅田、安藤には世界チャンピオンになる資格がある。
トップ選手の中には、オリンピック後のシーズンを休養に充てる選手も少なくない。だが、浅田、安藤はそれぞれ苦しみながら試合を重ね、調整を続けてきた。休んでいた選手には負けてほしくない。強く、そう思う。
どんなに不調でも……試合から逃げなかった浅田真央。
今シーズン、いちばん苦しんでいたのは浅田である。彼女は今季、一度も勝っていない。前半戦ではことごとくジャンプを失敗し、自己ワースト、しかも、信じがたいスコアを記録した。
ジャンプの失敗は、矯正に取り組む過程で起きていた。どんなに不調でも、浅田は試合から逃げない。挑んでゆく。復調の兆しが見え始めたのは、全日本選手権あたりだ。どん底からの準優勝は、彼女ならではのステップだったろう。
浅田は2月の四大陸選手権でも、トリプルアクセルを成功させ、2位となった。表現では高評価を得ているので、ジャンプをまとめられれば結果はついてくる。追い込まれたとき、浅田は強い。独特の何かを持っている。今季、最終戦に期待したい。
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