東京電力の勝俣恒久会長は30日の会見で、東電が原発の深刻なトラブルが判明した後の14日に福島第1原発の職員を全員退去させる方針を政府に打診していたと複数の政府関係者が明らかにしていることについて、「当時、施設にいた800人を超える職員のうち、直接、発電所の運転に関わらない半数の作業員は退去を考えたが、全員を退去させるということは決してなかった」と否定した。
また原子炉の廃炉につながる可能性があるため、海水注入が遅れ事態の悪化を招いたとの指摘については「全くちゅうちょなく行った」と妥当性を主張。原子炉内の圧力を下げるための排気作業についても遅れが指摘されたが、同席した武藤栄副社長が「電源がなく中央操作室の照明もない中で、現場で手探りで行ったために遅れた」と説明した。【江口一、藤野基文】
毎日新聞 2011年3月30日 22時07分(最終更新 3月31日 1時30分)