羽田を23時50分に発つスターフライヤー最終便で北九州に向かう。私は興奮して19時には羽田空港に着いた。
スターフライヤーは機体整備などでは全日空と提携しているが、ターミナルは第2ターミナルでないところが面白い。スターフライヤーのカウンターは日本航空がある第1ターミナルの一番端っこだ。全日空の傘下に入ったスカイネットアジア航空は4月からカウンターを第2ターミナルに移転する。
羽田空港ではスターフライヤー就航に合わせて、各看板やパンフレット、案内書すべてスターフライヤーの記載がされている。モノレールや京急の駅でもスターフライヤーのカウンターを示す看板があり、ここでも広くスターフライヤーの周知がなされていた。
出発ロビーは日本航空の21時発の関西空港行きが出ると、営業するカウンターはスターフライヤーだけになる。付近のお土産屋さんは20時30分で営業を終えるようだ。最寄りの喫茶店は22時30分まで営業するという。しかし21時以降は簡単な軽食しかないようだ。
到着ロビーは天候不良のため各地からの飛行機が延着して混雑していた。カレー屋さんは23時まで営業するそうだ。羽田で夜の時間を過ごすなら、到着ロビーのほうがよい。
新北九州空港の最大の売りは21時間運用を生かした早朝・深夜便の充実だ。羽田発最終便は、福岡が20時05分、山口宇部と大分が18時55分。福岡行きの最終便が出た後、新北九州にはなお3便が飛ぶ。近隣空港と比較すると、東京での滞在時間は約4時間も延びる。
ところでカウンターで聞くと最終便には約80人が搭乗予定だという。まあまあの数字ではないか。カウンターのお姉さんに「北九州の方ですか」と聞くと、出身は北海道だそうだ。夜勤勤務があり、きょうは最終便の1本前まで仕事するという。お疲れ様です。
搭乗口からバスで飛行機で移動する。この時間には他の飛行機の発着はないので、すぐに乗れそうな感じがするが、すでに他の航空会社の飛行機が羽田で眠っているためか?
機内では18時以降の便には350ミリの缶ビールのサービスがある。新北九州空港をデザインしたキリン一番搾りで、八幡製鉄所製造のスチール缶だ。
スチール缶のシェアは全国で5%に満たないそうだ。記念に一缶もらって帰ろうと思ったのだが、客室乗務員がご丁寧に栓を開けてくれたので、持ち帰ることができなかった。残念だ。
ほぼ定刻どおり羽田を離陸したが、悪天候のためか新北九州空港には定刻約30分遅れの1時45分に到着した。新北九州空港でもボーディングブリッジには接続せず、いったん地上に降りて徒歩で移動する。
係員に「最終便はいつもこうなのか」と聞くと、必ずしもそうではないと説明を受ける。徒歩で移動する距離は200メートルくらいだが、雨の日はやっかいだ。
荷物を受け取るまでに10分。深夜2時に新北九州空港を後にする。新北九州空港ではセブンイレブンが24時間営業しており、この時間でも弁当が充実している。ターミナル自体は21時間営業だが、セブンイレブンには24時間出入りできるという。これまでこのような空港の利用ができたろうか? すばらしい。
最終便には接続するバスがなく、搭乗客の多くは駐車場に向かうか、家族迎えの車で帰宅の足を急ぐ。タクシー乗り場にはたくさんタクシーが待機していたが、乗り場に向かう客は少なかった。小倉都心部や福岡方面へ向かう第一交通産業のジャンボタクシーが所在なさげだ。
乗り合いタクシーは原則として当日夜8時までの予約が必要。北九州市内なら約2500円、福岡市内方面は約3500円だ。
いずれにしても新北九州空港から約20分で自宅に到着した。新空港の強みである早朝・深夜便の充実は近隣空港にはない大きな魅力だ。
新北九州空港は新しい生活の流れを作ろうとしている。東京では仕事を終えて夕食を済ませてから、ゆっくり飛行機に乗ることができる。逆に北九州からは東京で宿泊することなく朝一の会議に十分間に合う。
スターフライヤーと新北九州空港の真価が問われるのはこれからだ。4月は閑散期に加えて、開港のご祝儀需要も消えて、利用率は低調と聞く。しかし早朝深夜便の充実は、他の近隣空港ではできないことだ。課題は山積するが、一つ一つ解決してゆくしかない。
地元の期待と夢を乗せて、飛び立ったスターフライヤー。これからも見守っていきたい。