シミュレータールーム……
夕呼さんに案内されるとそこは筐体が並んだ部屋だった。そこに着くなり早速着替えるように案内される二人。
余談だが、千早が武と共に男性用の着替え室に行こうとした時に止めようとした等ひと悶着があったのは言うまでもない。
「ふ~ん。本当に男だったとはねえ~。」
っとしみじみと千早の体を見ながら言う夕呼さん。ピアティフさんなんか何故か驚いた目で見てるし。
「いやあ~ん。そんなに見つめないで~。」
としなっと体をくねる千早。
「あんたがやると洒落にならないからやめて……。」
疲れたように言う夕呼さん。ピアティフさんなんて顔を真っ赤に。てか武よお前もか。
「あえて言うが、武?」
「皆まで言うな、俺もそんな趣味はない……。」
どこか疲れた顔の武。まあ~見た目が見た目だからなあ~と思いつつ。
(しっかし改めて見るとすごいな、つかこれはある意味裸より卑猥な感じなんですが?)
やはりゲームで見るのと実際着るのは違う、これは出るとこ出ててへこむところへこんでいないときつい。
「それじゃ早速はじめて。でどうする?。」
「そうですねえ~それじゃあ~ヴォールクデータの最高難易度で行ってみましょか?。」
「おい!」
あまりにもいきなり過ぎて、突っ込む武。そんな武を見て夕呼さんが。
「なあ~に~。さっきまでの自信は嘘だったのかしら?。それに最強の衛士と世界を救った英雄さんがエレメントで行くんだからそれくらいは攻略できないの~?。」
ニヤニヤしながら言い放つ。どうやら信用はされてないらしい。
「まあ~いいじゃないか武、反応炉まで行けって言われてるわけではあるまいし,それにA-01の中隊ですらせいぜい中層までだったようだしねえ~。」
とまるで問題ないと言わんばかりに言う。
(こいつ。)
まるで読めないふざけているようで、要所に確信をついてくる。油断できないと夕呼は思う。
(さてここまできたら腹を決めるか。まあ~設定では最強らしいから大丈夫だと思うけど。)
(こいつさっきまでヘラヘラしてたのに急に雰囲気が変わった。)
「では目標は最下層の反応炉の破壊、支援攻撃は0%ではじめてください。」
ピアティフ中尉の管制で、目の前にハイブの映像が映る。
(へえ~ここがハイブかあ~まるで洞窟みたいな感じだな。さてさてどうなることか。)
「ヴァルキリー10白銀行きます。」
(なるほど,コールサインを言ってから出撃するのか。では俺は。)
「マーズテリア01二階堂出るぞ。」
ぶっちゃけコールサインなんて考えて無かった。だったので坊戦女神の現神を賜りました。ヴァルキリーつながりで。
・・・・・・・・・・・・・・
「前方300mにて旅団規模のベータが接近中、数は800.接近まで……。」
ハイブ突入後、出るわ、出るわ。まるでゴキブリのごとくでてくる。
(しかし流石武だなあ~まだOSも旧タイプなのにすでに、あれが三次元機動ってやつかあ~)
っと思いながら余裕で武に着いて行く。というか、やってみてわかったのだけど、体が勝手に反応する。
突撃級が来たかと思うと、無駄な動き無しに自然に避けるし、まるで後ろに目があるかのように、見ずにこれまた避ける。なおかつ、攻撃まで加える。まるで踊っているからのように華麗に。
(何よあれ。白銀の動き、あんな動きどこで覚えたの?それに、二階堂あれは人間?なんで戦術機であんなに自然に動けるの?。まるで人間がそのまま戦術機になったような。)
(いやあ~これはすごい。。なんつうか頭がクリアで動きが見える?これが明鏡止水かそれともニュータイプ能力か?。)
などと余計な事を考えながら不知火を動かす千早。
<すごい!。なんて動き本当にこれが戦術機の動きなの?>
あまりにも異常な機動で、ベータの群れをかきわけて進む二機の不知火の動きに驚愕するピアティフ中尉。
武の今までにない概念の機動、三次元機動。壁や天井を足場にピョンピョン進んでいく姿に驚愕する。
そして、千早が乗る不知火は動きこそ武に比べて、奇抜な動きではないが、異常なのはその精度である。
時に長刀を使い、時に突撃砲を使い、そうまるで無駄が無い。最小限の攻撃で最大限の威力を出す。
長刀も腕に負担がかからないように切り付けるというよりは流れるといった動作で動きを最小限にとどめすべてにおいて正確にそして確実にしとめる。それを武との高速機動の中でやってのける。
武が飛べば、その先の敵を排除し、まるで全身に目があるように、的確に援護、支援、突撃と対応していく。
「すげえ!千早すげえよ!。」
武がそんな千早の機動に驚く。まるで自分がどうしたいかわかるみたいに着いてくる。
後ろに控えて援護してるかと思えば前に出て、敵を蹂躙する。その動きに見とれる武。
「ほめてもらえるのはうれしいけど……それで余所見してちゃあ~な!っと。」
千早に見とれてる武の後ろから突撃級がせまってきたのを正確な射撃でしとめる千早。
「おわ!危なっ。さんきゅ~相棒!。」
「やれやれだ相棒。だから俺はそんな趣味はないと言ったが?。」
ニヤリと笑い言い放つ千早。
「だあ~!お前はどうしても俺をっと後ろだあ~。」
「問題ない。」
っとこともなげに避ける千早。
「見える。私にも敵が見えるぞ。」
そしてとどめをさす。
「ラOァよ私を導いてくれ……。」
「はあ~?何言ってとっ。」
「まったく無粋だなあ~こういうときはこういうセリフを言うのが衛士のたしなみだと教わらなかったか?。」
「そんなたしなみはしらねえよ!。」
「だからお前はあほなのだ!!。このバカ弟子があ~~!!。」
「弟子になった覚えもねええ~~~!。」
「やってることはすごいのに。何この緊張感の無い会話は。」
そんなバカなやりとりをしつつ猛然と進む二人に額に手をあてて嘆く夕呼さん。
「あはは……。」
そんな姿を見て乾いた笑いしか出せないピアティフ中尉。
そんなやりとりをしつつ二人はハイブ内を突き進んでいく
数時間後……
「白銀機、二階堂機反応炉到達、状況終了……。」
気づけば二機ともゴールまで到着。ピアティフ中尉の管制もぎこちない。
夕呼さんも驚愕したようで、口をあんぐり空けてるし。
二人供結果が満足だったのか足取り軽く出てくる、あれだけの動きをしていたのにまるで疲れていない。
まるで、ちょっとハイブに遊びに行ってきまして~みたいな感じで談笑する二人を見て。
「あんたたち、本当に人間?。」
いきなりそんなことを口走る。
「いきなりそれは無いでしょう?先生。」
「人間じゃないかも(ボソっ。」
「おい!千早変なこと言うな先生に解剖されるぞ!」
「ちょっと~白銀~あなたねえ~でも。ん~それもありね。」
恐ろしい事をぽつりと言う夕呼さん解剖ってやっぱりそういうキャラなのね。
「まあ~あなたたちの実力はわかったわ。二機でヴォールクデータしかも支援なしで反応炉まで行った最初の人類を訓練兵にはできないわね。」
「じゃあ!」
「いいわよ。まず白銀の階級は大尉ね。特別教官としてまりもと供に教導をしてもらおうかしら。」
「よっしゃあ~!」
っとガッツポーズを決めはしゃぐ武。まあ~うれしそうなこと、武にとってはあの部隊は特別なんだろうからなあ。
今まで見せなかった悲しいそれでいて暖かい目で武を見る千早。
(こいつ、さっきはじめる際といい、今といい会ったときはただのお調子者かと思ったけど。)
っとそういう表情もするんだなと見やる夕呼先生。
「さて、二階堂だけどあんた開発とかもしてたそうね?。」
「あ~そういえばそう事を言いましたねえ~。」
こともなげに言い放つ。
「・・・・・。」
(こいつ前言撤回。やっぱりお調子物ね。)
ギラリと睨まれる。
「いや、冗談ですよ?。すんません。」
「はあ~。あんたねえ~。」
ため息と供にうなだれる夕呼さん。まあ~これは生まれもった性格なんで許してください。
「まったく、あんたの階級は少佐ね。これから戦術機の開発と伊隅達の教導をしてもらうわ。」
「はいは~い了解しました~」
と気の抜けそうな声でこれまた気の抜けた敬礼で答える千早。
(さて、開発までまかされるとは、嘘とはいえ開発者って設定が生きてるよな~。よし俺好みな装備を作るぞw。)
「大丈夫かしら?。」
一抹の不安がよぎる夕呼さん
「それじゃ今日はもう解散するわよ。」
「待ってください!先生!。」
「なによ~白銀あたしは忙しいの、これ以上時間は作れないわよ。」
「いえ、これに関しては早めに伝えておいたほうがいいと思いまして。」
「なによ。」
「今の戦術機って動きが鈍いんです。」
武は前の世界で夕呼さんに作ってもらった新OS「XM3」話をしはじめた。
「それでキャンセルと……」
「コンボが……それで操作の……。」
なにやら話し込む二人。
(ん~暇だ。ん?。)
ふと見やるとそこにちいさなうさぎさん、もとい、霞さんがこちらを見てるではないか。
(ふむ。おそらく俺のことを視ようとしてるな。さっきはカマかけたけどどうやら本当みたいだし。)
どうやら本当に俺の思考は読めないようだ。
(つまり読ませないということは逆に読ませることはできるのかな??)
純真無垢な瞳で見つめられてふと少しいたずら心が。
(イメージ~武が裸でマッチョポーズで踊る姿を強く~。)
すると。ボン!!って湯気が出るのではないかと思うくらい赤くなる霞。
それを見てスマンスマンと笑顔で誤る千早。お詫びに現実世界で見たかわいいキャラを口が×なうさぎのキャラの事を強く念じる。
するとうれしそうに、耳?をぴこぴこしながらこっちをガン見する。
(なにこのかわいい生き物。)
そうやって霞で遊んでると。
「いやよ~めんどくさい。それにメリットはあるの?。」
「う。」
なにやら、問答は終わったぽい。
(仕方ないなあ~)
「ならそれ俺が作りましょうか?。」
「!?」×2
「あんた聞いてたの?」
「ええ。まあ~なんとなくですけど、要は、キャンセルとコンボでしょ。」
こともなげに言い放つ千早。
「まあ~それなら前の世界で見てきたし、そうですねえ~。バグ取りとか入れれば2~3時間もあればできるかと。」
(いやあ~自分でもびっくりするわ~。なんせXM3て単語思い浮かばたら、仕様とか全部頭に浮かぶからなあ~)
これも、チートのおかげかあ~とつぶやきながら言い放つ千早。
「そう。そこまで言うならあんたに任せるわ。」
「まあ~夕呼さんにとってもメリットはありますよ~。諸外国に対する交渉の材料にもなるし。まあ~前回は出し渋りしすぎてあまり効果はありませんでしたけどねえ~。」
「そう。もういいかしら?」
「あ~俺からひとつ」
「なによ?あたしは忙しいと言ったでしょ?。」
「いや~後、新しいOS作るとして、新装備と、カラーリングと後は名称とか俺が決めていいですか?。」
「どこがひとつよ。いいわ。ただし、あたしが許可を出さない限りはだめよ。」
「え~。」
「殺されたい?。」
「すんません。」
「じゃあ以上よ。ピアティフ二人を部屋まで案内して。」
そういうと、夕呼さんは部屋から出て行った。
「おい大丈夫かよ?あれ夕呼さんと霞が二人で一晩かけてやっとβ版ができたくらいだぞ?。」
「まあ~俺の世界じゃあ~戦闘中にOSが気に入らないって書き換えた奴もいるしそれくらいはできる……たぶん。」
あっけらかんに言う千早。戦闘中ってそれって数分もっと短い時間で書き換えたってことかよとあまりにも常識はずれな回答に驚愕する武。
(まあ~あれはチートすぎだよな。流石スーパーなコーディだわ。)
主人公を蹴落として、出張っただけはある。俺はそうならないように気をつけよう。と思いつつ。
「あ,あの、白銀大尉、二階堂少佐、そろそろご案内したいのですが。」
いきなり現れた年下でしかもいきなり自分より階級が上な為対応に困っていたピアティフさんが申し訳なさそうに言う。
「すみません。」頭を下げる武。
「うちの武が迷惑かけます。」と言い頭を下げる千早。
「うおい!お前が半分以上原因だろうが!。」
「しどい!おかあさんはそんな子に育てた覚えは無いわ!。」
よよよ。と目頭をハンカチに当てて言う千早。
「育てられた覚えはねえ!つかお前男だろうが!。」
「まあ~そうだけどねえ~。どうせならむさいお前より霞ちゃんが良い。」
っと胸を張って言う千早。
「はあ~。そろそろお部屋の方へ。」
「ん~、ピアティフさんって言ったほうが良かったかな?。」
っとニヤニヤしながら言い放つ。
「はあ~。」×2
二人して同時にため息をつく、だめだこいつ人の話聞きやしねえ。
「さあ~私の根城へ案内したまえ~いざいざ~。」
と歩き出す千早、もはやテンションがあさっての方向へ。
「少佐、そちらはトイレです……。」
「あいつ、ネジでも飛んだのか。」
「はあ~~。」×2
先ほどより深いため息をはなつ二人。
「???」
何事もなかったように首をかしげる。原因。
PS
戦闘描写ってむずかしいです。チートといえばこの二人がどうしても浮かぶのは私だけ?書くときの癖でどうしても「・・・」と「。。。」が入る。そのあたり修正しました。ご指摘ありがとうございます。