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三弾 可愛くないウサギとファミレス
三弾 可愛くないウサギとファミレス


「―――キンジ、零時。あんた達、あたしのドレイになりなさい!」


コイツ何言ってんの?
キンジなんか脳内処理が追い付かずにほうけてるぜ。
嗚呼、疲れた〜、いやこの場合は憑かれたが正しいかも知れないな。

『零時とキンジは桃色ツインテールに取り付かれました』
『幸運が3下がった。他の女の子とのフラグが20下がった。ハプニングの発生率が200上がった。エンカウント率が3倍になった。逃げるが使用不可能になった。』

桃色ツインテールの悪霊に取り付かれただと!?
誰か学園でお祓い出来る人居ないかな?
白雪ちゃんなら出来そうだな……実力行使で。血の雨が降るかも………

「ほら!さっさとと飲み物ぐらい出しなさいよ!無礼なヤツ等ね!」

お前の方がよっぽど無礼だ!

「コーヒー!エスプレッソ・ルンゴ・ドッピオ!砂糖はカンナ!一分以内!」

うわぁ我が儘桃色ツインテールの独壇場だ。

「キンジ……後は任せた!」

「えっ?ちょっ!」

俺は速攻でキンジを身代わりにした。これでこの部屋から出られるはず!

「薄情者〜〜〜〜〜〜!」

「あの動き中々やるわね!」

キンジの叫び声と桃色ツインテールの意味深な呟きをBGMに俺は夜の街へと駆け出した。





俺はファミレスで時間をつぶしながら気が付いた時には外はすっかり暗くなっていた。

「どおすっかなぁ。このまま帰ろうかかなぁ。それとも何処かに匿ってもらおう―――――――――――――――」

「やあ!零時。久しぶりだな」

で、でたぁー!?ウサギの着ぐるみだぁー!いやウサギの着ぐるみを着た変態だぁーーー! 

桃色ツインテールの呪い発動!エンカウント率上昇中

 戦う  ハンドガン バタフライナイフ
→話す  
道具  空っぽです
逃げる 使用不可能

「何してんだよ『清隆』。」

コイツの名前は鳴海清隆 (なるみ・きよたか)警視庁の刑事で階級は警部。俺が前に月臣学園に通っていた時にコイツのクソみたいな計画に巻き込まれてからの腐れ縁だ。それ以来たまにめんどくさい依頼を寄越したり訳の解らない話をしたりとウザイ男なんだ。
そのくせ見た目は美形で何をやらせてもそつなくこなす上に事務仕事はまったくしないし政治家や警察の上層部からは物凄く信頼されてるしパイプも厚い。本当に忌ま忌ましい奴だよ。

「何の用だよ清隆。」

「まあ落ち着け零時。どっこいしょっと。」

そういい清隆は俺の真正面に座る

「シュールだ。ファミレスでウサギの着ぐるみと相席。周りの人達皆見てるよ。スゲー恥ずかしいよ!写メ撮られてるよ!」

ファミレスに居る客や店員は皆こっちを見てるよ。芸能人並の注目度だ。

「まあそう言うな。こんな経験滅多にないぞ。」

「一生無くていい!それよりも何の用だ!」

「まったく、せっかちだな。ふう、・・・実はな、近々お前の周りで厄介な事件が起こるかも知れない。」

清隆は着ぐるみの頭をとりながらそう呟いた。

「ふ〜ん、あっそう。(言うのオセーよ!)」

「おや?その様子だと薄々感づいているようだな。」

清隆はニヤニヤしながらどこか嬉しそうに話した。

「別に……何かあっても何時もどうり正面から立ち向かうだけさ。お前を倒した時のようにな!」

「それでこそ零時だ。他の誰にも負けるな。私がお前を倒すまで。」

「ハッ、そりゃぁ一生負けられねぇな。」

「その調子だ。期待してるぞ零時。」

そういい清隆は席を立ちそのまま店の出入口に向かって歩きだした

「あっ!そうだ。」

清隆は思い出したようにこちらに振り向いた

「『歩』が会いたがってたぞ。口には出さないがそういった雰囲気があった。」

「へえ、歩がねぇ。まあ、そのうち顔を見せに行くよ。」
「ああ。歩にはそう伝えとくぞ。後、そのうち『理緒』か『カノン』のどちらかをそっちに送るがどっちがいい?」
理緒とカノンか………

「どっちもいらない!と、言いたい所だが理緒を頼む。」
爆弾処理能力は俺より上だしな。それにどうせ一緒にいるなら野郎より女の子の方がいいしな。

「ああ、分かった。近い内にそちらに送るよう手続きをしておこう。
それじゃ、またな零時。」

「ああ。」

今度こそ清隆(着ぐるみを着た変態)はファミレスから姿を消した。

「ハア、疲れた(´△`)」

俺はため息をつきながらうなだれた。

「…………今夜マジでどうしよう。」

零時は着ぐるみを着た変態を見るために集まったやじ馬を無視しながら今夜の寝床を真剣に考えていた。











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