トップ雑誌本の話
自著を語る

平田照美さんに見える「死後の世界」(霊能者 平田照美)
塩田芳享
聞き手、著者の塩田芳享氏
平田 いくら生きている人が出てきてほしいと願っても、霊の方が出たくなければ、霊はけして出てきませんよ。私はあくまで『代弁者』ですから、強制的に霊を出すことなんてできませんよ。それに、あちらにはあちらの事情もあるんですから(笑)。どんな人が頼んでも出ない時は出ないものですよ。よくテレビを見ていると、ライトが煌々(こうこう)と当たったスタジオの中で、霊能者がリクエストに応えて、霊をだしていることがありますよね。あんなこと、私には到底考えられないですね。家族や知人がいればともかく、全く知らない人たちだけの所に強制的に呼ばれても、霊だって断るんじゃないですか。この世の都合であの世を動かすことなんて出来ないんですよ。そのことをまず皆さんに理解して頂きたい。
 あの世が『主』で、こちらはあくまで『従』なんですから。
塩田 平田さんの『霊媒』や『霊視』を見ていると、悪い霊や悪いことを口にするような霊がほとんどいないんですけど、それには何か理由があるんですか。
平田 はっきりとした理由はわかりませんが、私自身はこのように考えています。『我欲』といって、自分の欲ばかり考えている人には、綺麗な霊は出てこないものですよ。
『離欲』といって自分の欲を離さないと良い霊は出ないものと私は思っています。ですから、私に相談に来る人たちには、できるだけ『欲を離すように』、そして『供養の気持ちを持つように』と話しています。
塩田 今回、平田さんの霊能力を体験した人たちを取材して感じたことは、その後の彼らの人生が大きく変わったということでした。

父母がずっと見ている

平田 確かにそういう話は私もよく聞きます。『霊媒』について言えば、私は自分で何を話しているのか全く記憶にないのですが、後から話を聞くと、本当に不思議なことが多いんですよね。私は自分でも思うんですよ、こんなに不思議な人間は他にいないんじゃないかって(笑)。
 あれだけ、皆さん不思議な体験をされれば、人生も変わるはずですよね。それに、私の霊能力で、『死んだ家族と再会した』人たちは、それから悪いことはできなくなるという話もよく聞きますよね。死んで何年も経っている父親や母親がずっと自分を見ていたことに気付くんですから、それはみんな大変に驚かれますし、誰も見ていないからなんて悪いこともできなくなりますよね。今回の本にもこのあたりのことは書いて頂きましたよね。
 最近は家族の中で殺し合うなんて物騒な事件が相次いでいますけど、もっと多くの人が、このことに気付いてくれたら、こんなことはけして起こらなくなるのに、と私は思うんですけどね。

 思えば、昨年は『家族崩壊』の年だったように思う。以前なら、こどもが殺されたとき、その親が容疑者として一般の人にまで疑われることなどなかったはずだ。それが当然のように、テレビに被害者遺族として登場する父親や母親を疑うような世の中になってしまった。
 本書で『死んだ家族と再会した』人たちを私は多く取材した。
 その体験を通じて、彼らはどのように変わったか。それは『家族の愛は死んでも変わらない』ことを確信したことだった。何十年も前に亡くなった父や母が、そして幼くして亡くなった我が子が、今でも自分のことを見守って愛し続けてくれていることに彼らは気付く。そして、その体験を通して、家族の本当の意味を知るのだ。
『家族の愛は死んでも変わらない』ことに気付いた人は、けして一瞬の怒りに任せて、家族を殺してしまうことなどあり得ないだろうと私には思える。
 一人でも多くの人が、このことに気付いてくれることで、今年こそは、『家族再生』の始まりの年になることを願ってやまない。
戻る 次へ
本の話最新号目次
バックナンバー
PICK UP
自著を語る
私はこう読んだ
完結連載
東京・食のお作法
酒屋に一里 本屋に三里
虎馬圖書館
大和屋女将の語る
昭和のサムライたち
読書エッセイ
よせてはかえす恋の波
湯けむり読書日記
再会 死んだ家族にもう一度逢える
再会
死んだ家族にもう一度逢える