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 柱の算定


 鉄骨の柱の場合、曲げに加えて軸力(圧縮力)がかかります。鉄骨は部材が
小さくてすむために、座屈に対する検討が重要になってきます。

 柱の断面算定の流れ
 H鋼部材で、1軸曲げ(強軸方向がラーメン構造、弱軸方向がブレースなど)の場合

(1) 使用する部材を仮定する。
(2) 圧縮応力度σc=N/Aを算出
(3) 曲げ応力度σb=M/Zを算出
(4) λ=Lk/iyを求め、表よりfcを求める。
(5) 許容曲げ応力度fbを算出する。
 a.
 b.
 のうち、大きいほうの値(ただしfb≦ft)
(6) σc/fc+σb/fb≦1を確認する。

(7. τ=Q/Aw ≦fs確認する)
 ※柱の場合せん断で決まることは少ない
   ので通常は省略することが多い。
σc:圧縮応力度
σb:曲げ応力度
N: 軸方向力
A: 柱の断面積
M: 曲げモーメント
Z: 断面係数
Lk:座屈長さ
iy:断面2次半径(弱軸)
fb:許容曲げ応力度
fc:許容圧縮応力度
ft:許容引張応力度
lb:座屈長さ
ib:T型断面の断面2次半径
C:曲げ応力度に対する補正係数
  (詳細は梁の解説をご覧下さい)
Λ:限界細長比 材料強度が
   F=2.4の時 Λ=120
   F=3.3の時 Λ=102.3
h: 柱のせい
Af: 圧縮フランジの断面積
τ:せん断応力度
Q: せん断力  Aw:ウェブの断面積
fs: 許容せん断応力度

角形部材で、2軸の曲げ(X、Yの2方向から曲げ)を受ける場合

(1) 使用する部材を仮定する。
(2) 圧縮応力度σc=N/Aを算出
(3) 曲げ応力度を2方向算出。ただし角形
   の場合断面係数はZx=Zyなので、
  σb=(Mx+My)/Z
(4) λ=Lk/iyを求め、表よりfcを求める。
(5) 許容曲げ応力度fbは、角型部材の
   場合、fb=ftとする。
(6) σc/fc+σb/fb≦1を確認する。
(7. τ=Q/Aw ≦fs確認する)
σc:圧縮応力度
σb:曲げ応力度
N: 軸方向力
A: 柱の断面積
Mx My: 曲げモーメント
Z: 断面係数(Zx=Zy)
λ:細長比
Lk:座屈長さ
iy:断面2次半径(iy=ix)
fb:許容曲げ応力度
fc:許容圧縮応力度
ft:許容引張応力度
τ:せん断応力度
Q: せん断力
Aw:ウェブの断面積
   (角形の場合は断面積の1/2)
fs: 許容せん断応力度

※今回は、H鋼の1軸曲げと角形鋼管の2軸曲げを挙げました。実際にはH鋼の2軸曲げ
もありますが、普通は2軸曲げが予想される場合、角形鋼管にしてしまった方がいいと
思います。もちろん、その逆で角形鋼管の1次曲げっていうパターンも考えられますが、
それは片方のMを0にすればいいのですから問題ないでしょう。

・座屈長さ
 柱のような圧縮材が座屈をおこす長さ(座屈長さ)は、当然、部材の長さも大事ですが、
それと同じくらい、材端がどのような接合になっているかがポイントになります。そのため、
材端の接合状態の違いを部材の長さに換算して扱おうというのが、座屈長さです。
以下に座屈長さ係数(γ)を乗じた座屈長さLkを示します。

条 件 材端が拘束されている場合
(ブレース構造など)
材端が移動する場合
(ラーメン構造)
座屈形
Lk 理論値 0.7L 0.5L 2L
S造規準 0.8L 0.65L 2.1L 1.2L

 まず条件として、材端が拘束されている場合と移動する場合の2種類に分けられます。
これは、主にブレースとラーメン構造に大別できます。ブレース構造は、理論的には
モーメントがかかりません。すべてが引張と圧縮ですので、たわみ(変形)が発生せず、
接点の移動がおこりません。つまり拘束された形です。一方、ラーメン構造では、
いたる所に変形がおこりますので、材端が移動します。
 その後に、材端の接合の違いにより、いくつかの種類に分けられます。表には理論値と
S造規準が推奨する値の2種類がありますが、一般に、理論値よりも推奨値の方が安全側
(係数が大きい)の値になっています。それは現実の構造物では、完全な拘束、完全な固定端
などということが考えにくいからです。
 ここでは通常使用されていると思われるS造規準の推奨値を採用します。

・細長比
 上記で説明した座屈長さLkを、断面2次半径iで割った値が細長比となり、座屈のしやすさ
を示す値となります。この値が許容圧縮応力度fcに大きく影響を与えます。梁とは違って
柱の場合は座屈長さもX方向・Y方向とありますが、たいていの場合は弱軸(断面2次半径の
小さい方)で決まります。座屈を抑えるための横補剛材は片方向だけしか抑えられないのが
普通ですので、弱軸ばかりにたくさん横補剛材を入れた場合などは強軸も検討が必要です。
 細長比には次のような規定があります。
 柱:   λ≦200
 柱以外:λ≦250

例1) 1軸曲げを受けるH鋼の算定
 短期で、以下の条件で柱部材を算定する。

ラーメン方向(強軸)の軸組図 ブレース方向(弱軸)の軸組図 H鋼の部材方向

応力状態(短期):  Mx=21.01tm  N=12.12t

使用部材:
 H−450x200x9x14(SS400)
  断面性能表より
  A=96.76cm2  Zx=1490cm3 iy=4.40cm ib=5.18cm

圧縮応力度の算定
  σc=N/A=12.12/96.76=0.125 [t/cm2]
曲げ応力度の算定
  σb=M/Z=2101/1490=1.410 [t/cm2]
許容圧縮応力度fcの算定
 座屈長さは、弱軸がブレース構造(ブレースの場合はピン接合)
なのでLk=Lとなる。
細長比λ=Lk/iy=500/4.4=113.6→114
別表1(一番下に記載)より、fc=0.730 → 短期なので1.5倍してfc=1.095

許容曲げ応力度fbの算定(ここでは安全を見て補正係数Cを1.0とします)




よってfb=1.779

<1.0 OK


例2) 2軸曲げを受ける角形部材の算定
 以下の条件で柱部材を算定する。
 例題のため、長期・短期共に算出する。

X方向
Y方向

使用部材:
 □−300x300x9(SS400)
  断面性能表より
  A=102.7cm2  Zx=Zy=956cm3 ix=iy=11.8cm

圧縮応力度の算定
    長期Lσc=N/A=31.1/102.7=0.303
    短期sσc=N/A=34.8/102.7=0.339
曲げ応力度の算定
    長期Lσb=M/Z=(537+566)/956=1.154
X方向短期Lσbx=(947+566)/956=1.583(柱頭)
Y方向短期Lσby=(1105+537)/956=1.718(柱頭)

曲げモーメントについて
 軸力はX・Y方向の別がないので問題ないのですが、モーメントは
短期の水平力でX方向とY方向の2種類できるので、短期荷重も2種類
となります。そのとき、両方向同時に短期荷重がかかることは考えなくて
いいので、例えばX方向を短期で考えた場合は、Y方向は長期荷重だけで
いいことになります。
 柱脚と柱頭では、合計して大きい方の値で計算しています。

許容圧縮応力度fcの算定
座屈長さLkは、ラーメン構造で上下ともに剛接合なので1.2L
 Lk=360×1.2=432
細長比λ=Lk/iy=432/11.8=36.6→37
別表1(一番下に記載)より、fc=1.477
許容曲げ応力度fbは、角形部材のためfb=ft=1.6

算定結果:

長 期 <1.0 OK
X方向短期 <1.0 OK
Y方向短期 <1.0 OK

算定結果を見ると、今回は長期が一番不利だったことがわかります。


例2−1) せん断応力度の計算
 例2のせん断応力を計算する。

 例2の応力図には、せん断の数値が示されていませんが、せん断力はモーメント
から求めることができます。モーメントの値は、作用する力と、その作用線までの
垂直距離の積ですが、その「作用する力」こそが、この場合せん断力になります。
ですから、モーメント図が真っ直ぐ変化している(折れ曲がったり曲線になったりしない)
場合、モーメントが変化した量を部材の長さで割ってあげれば、せん断力が求まります。
今回の場合は、柱頭と柱脚のモーメントを足して柱長さで割れば求まります。
例えばX方向長期のせん断は、  (5.37+2.89)/3.6=2.29t となります。

以下にせん断力の一覧を示します。

  長 期 水平荷重 合 計
X方向 2.29 3.25 5.54
Y方向 2.42 4.28 6.70

許容せん断応力度
 fs=0.924[t/cm2](長期)
 fs=1.385[t/cm2](短期)
断面積A=102.7cm2
ウェブ断面積Aw=1/2A=51.35cm2
せん断は、(長期+水平荷重)が長期の1.5倍を上回っているので、
短期で計算する。
X方向短期
 τ=Q/Aw=5.54/51.35=0.107 <fs=1.385 OK
Y方向短期
 τ=Q/Aw=6.70/51.35=0.130 <fs=1.385 OK

このように、通常はfs以下になることがほとんどなので、計算を省略
することが多いようです。





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別表1 F=2.4 長期のfc
λ fc λ fc λ fc λ fc λ fc
1 1.600 51 1.374 101 0.872 151 0.420 201 0.237
2 1.600 52 1.366 102 0.861 152 0.414 202 0.235
3 1.599 53 1.357 103 0.850 153 0.409 203 0.232
4 1.598 54 1.349 104 0.839 154 0.404 204 0.230
5 1.598 55 1.340 105 0.828 155 0.398 205 0.228
6 1.597 56 1.332 106 0.817 156 0.393 206 0.226
7 1.595 57 1.323 107 0.806 157 0.388 207 0.223
8 1.594 58 1.314 108 0.795 158 0.383 208 0.221
9 1.592 59 1.305 109 0.784 159 0.379 209 0.219
10 1.591 60 1.296 110 0.773 160 0.374 210 0.217
11 1.589 61 1.287 111 0.762 161 0.369 211 0.215
12 1.587 62 1.278 112 0.752 162 0.365 212 0.213
13 1.584 63 1.268 113 0.741 163 0.360 213 0.211
14 1.582 64 1.259 114 0.730 164 0.356 214 0.209
15 1.579 65 1.249 115 0.719 165 0.352 215 0.207
16 1.576 66 1.240 116 0.708 166 0.347 216 0.205
17 1.573 67 1.230 117 0.697 167 0.343 217 0.203
18 1.570 68 1.220 118 0.686 168 0.339 218 0.201
19 1.567 69 1.211 119 0.675 169 0.335 219 0.200
20 1.563 70 1.201 120 0.665 170 0.331 220 0.198
21 1.559 71 1.191 121 0.654 171 0.327 221 0.196
22 1.555 72 1.181 122 0.643 172 0.324 222 0.194
23 1.551 73 1.171 123 0.633 173 0.320 223 0.192
24 1.547 74 1.160 124 0.622 174 0.316 224 0.191
25 1.542 75 1.150 125 0.613 175 0.313 225 0.189
26 1.538 76 1.140 126 0.603 176 0.309 226 0.187
27 1.533 77 1.130 127 0.593 177 0.305 227 0.186
28 1.528 78 1.119 128 0.584 178 0.302 228 0.184
29 1.523 79 1.109 129 0.575 179 0.299 229 0.182
30 1.518 80 1.099 130 0.566 180 0.295 230 0.181
31 1.512 81 1.088 131 0.558 181 0.292 231 0.179
32 1.507 82 1.078 132 0.549 182 0.289 232 0.178
33 1.501 83 1.067 133 0.541 183 0.286 233 0.176
34 1.495 84 1.056 134 0.533 184 0.283 234 0.175
35 1.489 85 1.046 135 0.525 185 0.280 235 0.173
36 1.483 86 1.035 136 0.517 186 0.277 236 0.172
37 1.477 87 1.024 137 0.510 187 0.274 237 0.170
38 1.470 88 1.014 138 0.503 188 0.271 238 0.169
39 1.464 89 1.003 139 0.495 189 0.268 239 0.168
40 1.457 90 0.992 140 0.488 190 0.265 240 0.166
41 1.450 91 0.981 141 0.481 191 0.262 241 0.165
42 1.443 92 0.970 142 0.475 192 0.260 242 0.163
43 1.436 93 0.959 143 0.468 193 0.257 243 0.162
44 1.429 94 0.949 144 0.462 194 0.254 244 0.161
45 1.421 95 0.938 145 0.455 195 0.252 245 0.159
46 1.414 96 0.927 146 0.449 196 0.249 246 0.158
47 1.406 97 0.916 147 0.443 197 0.247 247 0.157
48 1.398 98 0.905 148 0.437 198 0.244 248 0.156
49 1.390 99 0.894 149 0.431 199 0.242 249 0.154
50 1.382 100 0.883 150 0.425 200 0.239 250 0.153





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