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 応力図の作成 その3

 つづいて、ラーメン構造の応力図を見てみましょう。
ラーメンの応力図の書き方も、基本的には単純梁と同じです。

軸方向力図(N図)
 符号は単純梁と同じで、圧縮力がかかればマイナス、引張力が
かかれはプラスになります。ラーメンの場合はマイナスの時内側に、
プラスの時は外側に書きます。

引張
(プラス)
圧縮
(マイナス)

せん断力図(Q図)
 符号は単純梁と同じです。時計回り(右下がり)がプラス、反時計回り
(左下がり)がマイナスになります。応力状態の図で、向き合っている矢印は、
それぞれ時計回りのものがプラス、反時計回りのものがマイナスになっている
のがわかると思います。

  応力状態 応力図
時計回り
(プラス)

反時計回り
(マイナス)

モーメント図(M図)
 これも単純梁と同じで、部材の表面が引っ張られる方に書きます。
下図が代表的な応力状態のモーメント図です。





それでは、実際に応力図を書いてみましょう。


例1) 単純なラーメンの応力図
ラーメンの項で解説した例1の問題の
応力図を書いてみましょう。

このラーメンの反力は以下のようにな
ります。(図に反力を記入済み)
 Va=4.2kN
 Vb=1.2kN
 Ha=6kN
(1) N図
N図は、柱・梁の軸方向(圧縮・引張)
の応力を図化したものです。鉛直方向
の反力を見ると、左側は4.2kNが上方向
で部材に対し圧縮力をかけています。
右側は1.2kNが下方向で引張力をかけて
います。水平力のP=6kNは、同じ部材に
反力として6kNがかかっていますので、梁
には軸方向力はかからず0になります。
(2) Q図
Q図は、せん断力を表現するものです。
左側の柱は、せん断力を与える水平荷重
がないので0となります。梁は、鉛直荷重
がせん断力になりますので、左半分が
4.2kNのプラス、右半分は1.2kNのプラスに
なります。右側の柱は、下半分が6kNのマイ
ナスになります。
(3) M図
M図は、モーメントの状態を表すものです。
左側の柱は、垂直の反力がかかっていま
すが、これには作用線との距離が0なので
モーメントの対象にはならず0のままです。
これは実は大事なことです。というのは、
ローラーは垂直方向しか支えられませんが、
その垂直力は自身が支えている柱にはモー
メントを発生させない。
ということは、ラーメンの構造でローラーを支
点とする柱には、反力が原因で発生するモー
メントが無い
ということになりますから、その
柱に直接外力(荷重)が掛かっていない限り、
ローラー支点の柱は全体にわたってモーメント
が無いことがすぐに判断できることになりま
す。このことを覚えておくと応力図を描く際に
間違いを減らす大きなきっかけになります。

梁ではモーメントが発生しますので、ここでは
各点でのモーメントを計算してみましょう。
D点:4.2×2.0=8.4kN・m
E点:4.2×4.0−3×2.0=10.8kN・m
F点:横方向の距離が同じなのでE点に同じ
B点:4.2×4.0−3×2.0−6×1.8=0



例2) 変形ラーメン(例2)の応力図
次は変形ラーメンについて検討してみま
しょう。右図はラーメンの反力の項の例2
で出てきたものです。算定結果は以下
のようになります(結果を図に記入済み)
 Va=0
 Vb=7kN
 Ha=3kN
(1) N図
 左の柱は、反力がないので0です。
梁には水平力が軸方向力として働くはず
ですが、左側の柱内で荷重と反力が揃っ
ているので梁には影響がなく0です。
よって、右側の柱に7kNの圧縮力が働くだ
けとなります。


(2) Q図
 まず、水平方向の反力3kNがあるので外
側(プラス)に3kNの図が柱半分までできま
す。梁は等分布荷重があるので徐々にせ
ん断力が増えていき最終的には4kNマイナ
スになります。右側の柱接合部分で7kNの
反力があるので3kNプラスになり、はねだし
部分先端の3kNとつりあいます。
(3) M図
まずは水平反力の3kNによりモーメントが
発生します。途中からは反対方向の荷重
により、モーメントが一定になります。
梁は、等分布荷重を受けて柱のモーメン
トを徐々に減らしていくことになり、右側
に近い所で反転します。一方、はねだし
部分の先端の荷重がモーメントを生み、
ラーメン本体のモーメントとF点で釣り合
う状態となります。例1でも言いましたが、
やはりローラー支点の柱には、モーメントは
掛からない状態です。以下に主要な地点の
計算を載せておきます。
C点:3×2.5=7.5kN・m
D点:3×5.0−3×2.5=7.5kN・m
E点:3×5.0−3×2.5−4×1.0=3.5kN・m
F点:3×5.0−3×2.5−4×3.0=-4.5kN・m



例3) 3ヒンジラーメンの応力図
 3ヒンジのラーメンの応力図を書いてみましょう。
3ヒンジは、ヒンジとなっている部分がピンと全く同じ
でモーメントが0になります。ヒンジの部分がある代わ
りに、支点の1つがローラーからピンになっていて、
2つある支点の両方とも水平反力を受け持つことがで
きるようになります。よって、今までは支点がローラー
だった柱には、直接荷重が掛からない限りモーメント
が発生していなかったのが、ほぼ間違いなくモーメン
トが発生するということになります。

 右図は、反力の項の例3の問題です。このラーメン
の反力は以下の通りです(図に記入済みです)。

Va=0.43kN  Vb=0.43kN
Ha=2.46kN  Hb=1.14kN
(1) N図
 これは反力を見ればすぐにおわかりでしょう。左柱
は0.43kNの圧縮力、右柱は0.43kNの引張力、梁は
2.46kNの圧縮力となります。このとき回転荷重は軸
方向力に影響を与えません。
(2) Q図
 左柱は、水平反力だけですので、2.46kNのマイ
ナスです。梁の部分でも柱から受けた垂直の反
力以外に力がないので0.43kNのプラスになります。
右柱は、左柱から来た2.46kNが等分布によって徐々
に減少して逆転し、1.14kNのマイナスになります。
(3) M図
 左柱では、水平反力の2.46kNによってモーメントが
発生しますが、梁との接合部に8kN・mの回転荷重が
あるので値が変化します。C点のヒンジでは、計算の
通り、ちょうど0になりますが、その後もモーメントは
変化しつづけます。右柱では等分布荷重によって一
部曲線になります。右柱のモーメント最大値は、その
曲線の途中に現われます。曲線のふくらみ方がちょっ
と変わった形になります。

D点:-2.46×3.6+8=-0.86kN・m
C点:-2.46×3.6+8+0.43×2.0=0
E点:-2.46×3.6+8+0.43×4.0=0.86kN・m
F点:-2.46×1.8+8+0.43×4.0−3.6×0.9=2.05kN・m




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