| 【構造一般】 | 構造計算 | 地盤・基礎 | 建築コラム | 掲示板 | |
| 構造力学1 | RC造 | 建築基準法 | リンク | ||
| 構造力学2 | S造 | フリーソフト | 管理人より | ||
建築の世界で設計に携わる人は沢山います。設計の種類にも沢山あって、
細かく分けていくとかなりの数になると思いますが、大まかには以下の3種類
があります。
・意匠設計
言わずとしれた、設計の中枢に当たる部分です。建築主となるお客さんから
新築する建物に対する様々なニーズや条件などを聞き、設計に盛り込んでい
きます。平面図等はもちろんですが、建具の形状を1つ1つ表す建具リスト、
仕上表など、図面の量・種類ともに膨大な数に及びます。
建築関連の法規は、面積や高さに関するものはもちろん、避難経路・内装
制限・防火設備等の知識も持ってないと設計できません。
・構造設計
意匠設計を元に、基礎や柱・梁・壁等の各部材の断面形状を計算により
決定していきます。RC造の場合は断面の中に入れる鉄筋量も含まれます。
一般の方は勘違いしている人が多いのが意外なんですが、構造設計も図面を
描きます。意匠設計ほどではありませんが、結構な量の図面を描きます。
それに構造計算書を付けて意匠の設計事務所に渡します。そう、構造設計
事務所にとってのお客さんは、意匠設計事務所なのです。なので、一般の方
と直接やり取りする機会はあまり多くありません。
・設備設計
冷暖房の効率やダクト(風の通る道)の大きさ、上下水道の配管の大きさな
ど、建築設備も専門家によって設計する必要があります。設備設計も図面と計算
が必要です。構造設計よりもさらに目立たない存在と見られているかもしれませ
んが(設備屋さんすみません)、私は実際に、水圧が足りずに、新築したマンショ
ンの最上階でほとんど水が出なかったという話を聞いたことがあります。設備設
計の重要性も相当なものです。
構造設計でやってること
構造設計では、具体的には何をやっているのか。もう少し深く説明すると
以下のようなものです。
・構造計算書
建築基準法第20条2項にある「構造計算によって確かめられる……」という
条項にかかる計算書です。これを確認申請の時、意匠図面・構造図面と共に、
申請書に添付します。この計算書は、計算ルートなどによって内容が大きく変
わるのですが、非常に大雑把に言えば、
・ 建物の用途に合わせて積載荷重を決定
・ 地震時に水平力となる荷重を算定
・ フレーム(ラーメン)の計算
・ その計算によって算出された各部材の断面計算
・ 基礎(直接基礎・杭)の計算
などをまとめたものになります。最近は、フレームの計算をはじめとして、
計算書の大部分がパソコンの計算ソフトで計算した結果をプリントアウト
したもので占められています。しかし、この計算ソフトは構造の専門家で
ないと、データ入力も算定結果の判断もできませんので、パソコンが計算
してくれるからといって専門家の必要が無くなるということはありません。
・構造図面
構造設計で描く図面も、物件の規模や種別(RC造・S造)によって大きく
異なります。これも大雑把に言ってしまうと以下のようなものです。
・床伏図(梁伏図)
構造図面の平面図です。全ての階と屋根部分を描きます。構造部分の寸
法や、柱・梁・スラブ・壁のそれぞれに、断面の大きさ等をリスト化して指定す
るための符号を記入します。1フロアの中でスラブ高さに差があることもここ
で表現できます。構造図面の中でも最も大事な図面です。
基礎レベルの伏図(基礎伏図)も描きます。基礎の位置や符号を表現しま
す。基礎が杭の場合には杭伏図とも言います。
・軸組図
構造図面の断面図のようなものです。柱がほぼ1列に通っている部分を
「通り」と言って、これにも記号を付けて表現しますが、そのX・Y方向それ
ぞれの通りについて、断面を切ったような図面を描きます。各階の階高を
はじめ、構造体の高さ方向の状態がわかります。特に斜線制限などの関係
でセットバックしている建物の状態は、ここでハッキリ表現されます。ここに
も部材の符号を書き込みます。
・柱芯線図(柱キープラン)
柱の通り芯に対する「寄り」や、柱と梁接合部の細かい寸法を表現します。
床伏図は1/100〜1/200の縮尺なので、細かい部分が表現できないので
この図面で表現しているのです。この図面の呼び方は、設計事務所に
よってたくさん種類があるようです。
・部材リスト
柱・梁・壁・基礎など、図面に出てくる全ての部材の大きさ、形状を1/30
程度の縮尺で断面図を描いて表現します。RC造では中に入る鉄筋の本数
や鉄筋径なども断面内に描いて表現します。構造図面の全枚数の半分程
度を占める量になります。
・鉄筋詳細図(鉄骨詳細図)
軸組図で描いたような図面の一部を、1/30〜1/50程度で描きます。
矩計(かなばかり)図のようなものです。
RC造の場合は、中に入る鉄筋の1本1本を描いていきます。S造の場合は
柱・梁の接合部の収まりなど、細かく描いていきます。
非常に大まかではありますが、このような計算書と図面を作成するのが
構造設計者のメインの業務になります。もちろん、これらに関連する構造
の検討や、施工中に発生した構造上の問題の対処、配筋検査(RC造で
コンクリート打設直前に、鉄筋の配筋状況をチェックする検査)なども行い
ます。
当サイトでは、そのようなことを生業とする人たちが、業務の中で知って
おきべき基本的知識を、管理人自身の勉強がてらまとめているわけです。
見に来てくださった皆さんにとって、少しでも役に立てばと思います。