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建物のしくみ 2

 3) 鉄筋コンクリート造(RC造)
 事務所ビル・店舗・マンションなど、中規模以上の建物に使用されます。
後述する壁式構造を使用して、個人住宅を建てる場合もありますが、
実際には木造や鉄骨造より少ないと言えるでしょう。
"reinforced concrete"(補強されたコンクリート) と書いて鉄筋コンクリート
という意味になり、頭文字からRC造と言ったりします。
鉄筋は引張に強く圧縮に弱い(細長いので曲がってしまう)、コンクリートは
圧縮には強いが引張に弱い(ヒビが入ってしまう)という特徴があり、それぞれの
欠点を補うように考えられてた優れた工法です。

 まずは、鉄筋型枠を用意します。コンクリートは、固まるまでは泥状のもの
なので、溶けたチョコレートを固めるように、出来上がりの状態に合わせた型枠
をセットし、そこに流し込むようにします。つまり、コンクリートの入れ物を作るので
す。これは、他の工法ではまず現れないやり方です。
 鉄筋や型枠は、現場に運ぶ前に、それぞれの担当の会社(鉄筋屋さんと型枠
大工さん)が、その現場の設計図を見て、鉄筋や型枠を工場(作業場)で加工して
運んできます。もちろん、現場でも帳尻を合わせたりすることもありますので、
現場での加工も頻繁に行われます。
 一般階では、最初に柱の配筋から行います。柱の配筋が終わった後、フタを
するように型枠を建てこんでいきます。その後、上階のスラブ(コンクリートの床の
こと)や梁の型枠を取り付けます。宙に浮いているようにスラブや梁の型枠を置く
ので、下には支保工という、型枠を支えるための仮置きの柱のようなものを建て
て支えてあげます。この数が凄まじく、直下の階は満足に歩けないくらい沢山建つ
ことになります。梁やスラブの型枠が出来れば、型枠の上を上階の作業場として
使えるようになるので、その上で梁やスラブの配筋をします。梁の配筋は、その
脇で鉄筋を組み上げた後、梁型枠内に落とし込むようにセットする方法が多く
取られます。

全ての型枠と鉄筋の工事が完了したら、コンクリートを流し込みます。これを
コンクリート打ち(コンクリート打設)と言います。この日は大変です。朝から
ポンプ車(コンクリートを送るポンプ車)がやってきて準備をした後、次から次へと
ミキサー車がやってきます。ミキサー車はコンクリートプラントが作ったコンクリート
を運んでくるのです。ミキサー車はポンプ車にコンクリートを流し、ポンプ
車が上の階にコンクリートを送り、職人さんが所定の場所に打設するのです。
ミキサー車は最大でも5立米分しかコンクリートを積めないので、ちょっと大きな
現場でも延べ100台以上のミキサー車が出入りします。
コンクリート打設の解説図

こんなことを階数分繰り返して、RC造の建物は建っていきます。

RC造の特徴を挙げてみましょう。

長所 短所
火災に強い
設計の自由度が高い
遮音性が高い
自重が重い
施工精度による差がある
工期が長くなりがち

 長所は火災に強く、RC造であれば、通常は構造そのものにそれ以上の耐火
対策をしなくても耐火構造となります(壁厚10cm以上・柱40cm角以上などという
条件はあるが、通常の設計であればクリアしている)。 後は開口部を防火戸に
すれば耐火建築物となり、都心の建物密集地に建てることができるのです。
 その他、コンクリートは型枠に合わせた形状になるので、曲線などの表現をしや
すいこと、重量度があるので遮音性が高いことが挙げられます。

 短所は、材料そのものが大変重く、建物の自重が他の工法と比べて圧倒的に
重いということがあります。RC造の場合、建物の用途にも依りますが、建物全体
の重量のうち9割程度を自重で占めることとなり、人や建物に据えられる設備の
重量は、ほどんど「構造の余力で支えている」というくらいの微々たるものなの
です。
 また、型枠を作って鉄筋を組んで…… という過程を経るので、それぞれの職人
さんの力量によって精度に差が出ることや、工程そのものが長くなるという欠点が
あります。

RCラーメン構造(イメージ図)
RCラーメン構造(イメージ図)

 ・壁式構造(WRC造)
 コンクリートにも壁式構造と言われるものがあります。これは木造の2×4工法
に似たようなもので、柱の代わりに壁によって支えるものです。"RC"の前に壁と
いう意味の"wall"の頭文字を付けて、WRC造と言います。
柱を無くすことにより、柱の出っ張りを無くすことができるので、広く整った空間を
確保できるなどの利点があります。
壁によって支えているので開口の大きさや位置に制約があるのが難点ですが、
それでもWRC造の利点を生かして、低・中規模のマンションやアパートに採用され
るケースが多いのです。同タイプの室を重ねることによって上下の開口位置を合わ
せることができ、またマンションの場合、戸境の壁には開口がいらないどころか、
遮音のために厚い壁にすることが求められるくらいなので、耐力壁を取るのが
容易だからです。



 4) 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
 高層の建築物を建設する際、コンクリートの中に鉄骨を骨組みとして入れる
工法があります。これを鉄骨鉄筋コンクリート造といいます。S造とRC造を合わ
せたようなもので、略称もSRC造と言います。
 つい最近まで、RC造で10階以上の建物を造ることは稀でした。やはり自重が
大きすぎて、それくらいの規模となると自分自身すら支えきれなくなるためです。
最近は、高強度のコンクリートを使用して、RC造で高層建築物を建てるケー
スが増えましたが、やはり中に鉄骨を入れたSRC造も多く採用されています。
鉄骨が入った分、ある程度断面の大きさを抑えることができ、粘り強い建物にす
ることが可能です。また、鉄骨造で問題となる、強風などによる揺れの問題も
SRC造にすることによってある程度解消できますし、コンクリートで包んでいる
ので、耐火被覆を必要とせず、鉄骨の座屈も考慮しなくていいというメリットがあ
ります。
 しかし、大きな鉄骨が入るのでコンクリートを充填しづらいという問題と、
どの工法よりも工程が複雑化するという問題があります。また、鉄骨があっても
鉄筋は省略できないので、鉄骨と鉄筋の交差部分の取り合いや、柱・梁接合
部をどのように収めるかなど、大変面倒な問題もあります。

 ・SRC造の逆? CFT構造
 SRC造は、鉄骨をコンクリートで包む構造ですが、その逆とも言える工法が
あります。鋼管状の鉄骨の中に、コンクリートを入れるのです。
"Concrete Filled steel Tube"の略でCFT構造と言います。
この工法のメリットは、鉄骨の中にコンクリートを入れるので、型枠も鉄筋も
省略でき、しかも同じ大きさの鉄骨部材より強いということです。中のコンクリ
ートの膨張しようという力を鉄骨が拘束し、それが部材の強さとなるのです。
また、コンクリートは中にあるので劣化することが少なく、外を包む鉄骨の
耐火性能を上げる効果もあるので、高層建築物に向いています。



 続いて、次のページで基礎の解説をします。



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