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鹿沼のクレーン車暴走:児童6人死亡 運転手「居眠りした」 /栃木

 ◇持病、薬服用の有無捜査へ

 鹿沼市樅山町の国道293号で18日朝、登校中の同市立北押原(きたおしはら)小の児童の列にクレーン車が突っ込み6人が死亡した事故で、自動車運転過失致傷容疑で現行犯逮捕された日光市大沢町、運転手、柴田将人容疑者(26)が鹿沼署の調べに対し、「居眠りをしてしまった」などと供述していることが捜査関係者への取材でわかった。一方、鹿沼署は19日、同容疑者を自動車運転過失致死容疑で宇都宮地検に送検し、自宅や勤務先を家宅捜索した。【浅見茂晴、吉村周平、岩壁峻、松本晃】

 鹿沼署によると、クレーン車は突然、中央線をはみ出し、対向車線側の歩道にいた児童の列に突っ込み、国道沿いの家屋に衝突して停車。クレーン車の下敷きになった児童6人が死亡した。事故当時、現場近くで登校指導をしていた同小の倉澤敏夫校長(56)は「クレーン車は減速せずに突っ込んだように見えた」と証言。さらに、現場検証では道路上にタイヤの跡はあったが、ブレーキ痕はなかったという。このため、クレーン車は相当なスピードで突っ込んでいったとみられる。

 家宅捜索は午前9時過ぎから行われ、柴田容疑者の勤務先から出勤簿など11点、自宅からは病院の診察券など13点を押収した。事故現場は勤務先から約700メートル。事故は運転開始直後に起こっており、単なる「居眠り」が原因だったかどうかは不明という。

 捜査過程で得られた関係者の話で、同容疑者になんらかの既往症があったという情報があり、毎日新聞の取材に応じた知人女性も発作性の持病があった可能性を指摘している。同署は同日、薬物検査を実施。既往症や薬の服用の有無など、事故原因について慎重に調べる方針だ。

 ◇全校集会で黙とう

 北押原小では19日、全校集会が開かれ、亡くなった児童6人に黙とうがささげられた。倉澤敏夫校長が「一緒に過ごした楽しい思い出を心にしっかりと刻もう。(被害児童が)かなえられなかった夢の分、頑張ってあげよう」などと呼び掛けると、涙ぐむ児童もいたという。

 同小によると、この日は「元気が出ない」「気分が悪い」など事故の影響とみられる欠席児童が5人いたという。市はカウンセラー5人を同校に派遣した。【松本晃】

毎日新聞 2011年4月20日 地方版

 
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