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【神奈川】

原子力空母 異例の出入港 放射線量と関連性?

2011年4月21日

横須賀基地に入港する原子力空母ジョージ・ワシントン=横須賀市で

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 横須賀市の米海軍横須賀基地を拠点とする原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)が二十日、洋上での修理を経て帰港した。定期修理中の先月二十一日に同基地を急きょ出港して以来、一カ月ぶりの横須賀入り。今回の異例の出入港を分析すると、福島第一原発事故後、同市内で計測された放射線量との関連性が、浮かび上がってくる。 (新開浩)

 同原発事故の後、同市内で計測された最大の放射線量は、先月十五日の〇・二一マイクロシーベルト。通常値は〇・〇三マイクロシーベルト前後だが、翌十六日も〇・一八マイクロシーベルトだった。

 これを受け、横須賀基地の米海軍は同十七日、優先順位を(1)軍人らの家族(2)任務に影響しない軍人(3)任務に不可欠な軍人−の三段階に分けた避難計画に着手。同十九日には、空母が翌二十日昼に出港すると日本側に通知した。

 しかし、米海軍は空母の出港予定を翌二十一日朝に延期した後、同日朝には「出港日未定」に再変更。結局、同日午後一時すぎに急きょ出港させる、不可解な動きをみせた。

 この間、横須賀市内の放射線量は徐々に低下し、「出港日未定」となった二十一日早朝には、通常値に近い〇・〇五マイクロシーベルトまで減少。しかし、午前十時ごろから上昇し、空母出港の昼前後には〇・一五マイクロシーベルトとなった。

 市内の放射線量は先月二十三日の〇・一八マイクロシーベルトをピークに減少を続け、今回の帰港前には、〇・〇七マイクロシーベルト前後まで低下した。

 こうした放射線量と空母の動きとの関連性を、裏付ける発言もある。

 米海軍制服組トップのゲーリー・ラフェッド作戦部長は、米通信社ブルームバーグの取材に対し、GWから放射性物質が漏れたと誤解されるのを避けるため、「放射線で汚染される可能性のある場所から、空母を退避させようと考えた」と説明した。

 米軍基地監視団体リムピースのメンバー頼和太郎さんは「空母艦上で高い放射線量が計測された場合、安全確認のため、修理中の作業員を退避させる必要が生じる」と指摘。「それでは作業がはかどらないので、空母を出港させ、洋上での修理に切り替えたのではないか」と分析している。

 

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