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菅首相「無視するんですか」怒声にオロオロ

 菅直人首相(64)が21日、福島第1原発事故の影響で避難した住民が暮らす福島県田村市の避難所を視察した際、一部住民の前を素通りで帰ろうとし、「無視するんですか」ととがめられる場面があった。菅首相は、涙ながらに訴える住民に「ごめんなさい」と謝罪し、立ったまま話を聞いた。震災後の視察は4度目だが、福島県の避難所を訪れたのは初めてで、「今ごろ来ても遅い」との批判も出た。滞在時間も訪問先も事前に決められた、形だけの視察の実態が露呈した。

 「もう帰るんですか!」「私たちのことを無視するんですか」。福島第1原発事故を受け、福島県大熊町から避難した住民が暮らす同県田村市の総合体育館。決められた日程を終え、次に視察する同県郡山市に向かうため出口に向かっていた菅首相を、怒号が呼び止めた。同県葛尾村から避難している夫妻だった。

 「ごめんなさい。そんなつもりはありませんでした」「(いることを)知らなかったものですから」。菅首相は不意を突かれて歩み寄ったが、男性は「総理が来るというので待っていたのに、通り過ぎるのか」と畳みかけた。この時、時間的な問題から官邸側にあらかじめ声を掛ける住民を指定されていた菅首相は、出口付近にいた夫妻らには声も掛けず、素通りしようとしていた。男性の妻は「私たちも避難民です。無視される気持ちが分かりますか」「信用できるものもできなくなる」と、涙ながらに訴えた。菅首相は、うろたえた表情で「すみません」「どうですか」と話しかけたが、終始立ち話だった。

 夫妻は「みんな、先の見えない不安を抱えながらやっている」「内閣はいろいろ言っているが、その人たちをここに連れてきて生活してみてください」と、長期間に及ぶ避難生活の不満をぶつけた。「もう、限界だ」と訴える男性に、菅首相は「全力でやります」と頭を下げるしかなかった。別の男性にも「私たちは我慢している。もっとリーダーシップを取り、早めに収束させてほしい」と、訴えを受けた。

 東日本大震災発生後、4度目の視察だが、原発事故で被害を受けた福島県にある避難所の訪問は後回しにされ、この日が初めて。滞在予定は5時間余りで、分刻みで日程が組まれていた。帰り間際に怒号を受け、滞在は約1時間延びたが、現実は駆け足視察。「今ごろ来ても遅い」と批判も上がった。避難所訪問に先立ち、菅首相は福島県庁で佐藤雄平知事と会談したが、こちらも滞在は35分。「ご苦労をおかけします」と一礼した首相と対照的に、佐藤知事は硬い表情で会釈しただけだった。

 [2011年4月22日8時21分 紙面から]

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