2011年4月22日9時47分
北海道倶知安町の倶知安観光協会はこの夏、国際的なスキーリゾート地の比羅夫地区のリゾートマンション(コンドミニアム)や別荘を、電力不足が心配されている首都圏の企業にオフィス用として提供する計画を進めている。「クーラーいらずで停電知らず。夏のオフィスは涼しい北海道へどうぞ」と呼びかけている。
マンションや別荘の多くはニセコでスキーを楽しむオーストラリア人や華僑の所有。夏の間は安値で避暑用に貸し出しており、敷金や礼金はいらない。光ファイバーケーブルを備え、居住空間も広く、家電製品も備えている。机やいす、コピー機など事務機器や車が必要な場合は、同協会がレンタルをあっせんする。
部屋代は光熱費込み、2ベッドルームタイプで月額約21万円から。長期利用だと3カ月目以降は月11万円ほどに値引く。現時点で約30室を確保している。
比羅夫地区は、新千歳空港・札幌からそれぞれ約2時間かかり、営業部門など人の動きを伴う部門には不向きだが、出版企画、デザイン、プログラム開発などIT関連、翻訳などノートパソコンで仕事ができる小規模な企業には適しているという。倶知安の夏の平均最高気温は7月で24.1度、8月で25.2度と東京よりも約5度低く、クーラーはいらない。
長期滞在ができる団塊世代も募集する。同協会は「電力不足に悩む首都圏企業に対する支援も震災支援の一環。こちらも震災の影響で観光客が落ち込んでおり、新しい需要を開拓したい」と期待している。
27日午後2時から、東京都千代田区の外国人記者クラブで、IT企業関係者向けに説明会も開く。問い合わせは同協会(0136・22・3344)へ。