2011年4月21日22時44分
農林水産省は21日、未承認の遺伝子組み換えパパイアが国内で流通していたことを確認したと発表した。流通経路を調べ、生物多様性の保護などを目的としたカルタヘナ法に基づき伐採する。同法に基づく植物の伐採は初めて。沖縄県内の栽培面積約21ヘクタールのうち約2割が該当する見込みという。
農水省によると、未承認パパイアの沖縄県内の年間出荷量は100トン程度とみられる。厚生労働省は「食べた場合の危害につながる情報は現在のところ確認されていない」としている。
このパパイアは台湾の会社「台湾農産」から「台農5号」の名前で2005〜09年、種子計約5キロ分が輸入された。大半が沖縄県内で流通しており、現在は市場に存在する可能性は低いという。「台農5号」は同県内などで、野菜パパイアとして炒め物やサラダ、パパイア茶などで利用されている。
農水省は「仮に遺伝子組み換えパパイアが道ばたなどに出ても、日本の環境下では生存競争に負け、生物多様性への影響は低いと考えられる」としている。