2011年4月13日23時10分
定期検査中の九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開について、同町の岸本英雄町長は13日、朝日新聞の取材に対し、「運転を再開できずに夏を迎えれば、九州も節電や計画停電が必要になる。クリアすべきことをクリアすれば、5月中に再開するのが好ましい」と述べ、早期の運転再開を認める考えを示した。
岸本町長は、九電が12日に公開した安全対策の訓練を「運転再開への一歩」と評価。その上で、台風やテロなどを想定したシミュレーションを実施するよう九電に要請していた。岸本町長は13日の取材に、住民や議会を対象にした説明会の開催を求め、これらがクリアされれば、運転再開を容認する考えを示した。
一方、佐賀県の古川康知事は同日、朝日新聞の取材に対し、「国の安全対策が見えない中で、再開うんぬんの話ではない。(原発の安全対策についての)国の考え方や方針が県民に説明できるものなのかどうかで判断すべきだ」と述べた。古川知事は11日の記者会見で「(国の安全基準を)クリアしてさえいれば(再開して)良いというわけではない」と話していた。
九電は5月中の営業運転の再開を目指し、緊急安全対策の取り組み状況を、週内にも国に報告する。その上で、地元の代表者らを対象にした説明会を開く意向だ。