改正臓器移植法に基づき、国内で初めて15歳未満で法的脳死と判定された10代前半の男子の提供臓器は、片方の腎臓と膵臓(すいぞう)、両肺の移植手術が14日にそれぞれ終わり、すべての手術が終了した。いずれも患者の容体は良好という。
藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)では、片方の腎臓と膵臓が女性(33)に移植され、手術は14日午前3時20分、無事終了した。執刀した杉谷篤教授は14日会見し、「ドナーとその家族にありがとうと伝えてください」という患者の母親の言葉を紹介した。両肺は14日、東北大病院で50代女性に移植された。
心臓は「18歳未満の提供者からの提供先は18歳未満を優先する」という国の基準を初適用し、大阪大病院で13日、10代の男性へ移植された。東京女子医大病院では60代男性へもう片方の腎臓、北海道大では20代男性へ肝臓が、それぞれ13日に移植されている。【藤野基文、山田一晶】
毎日新聞 2011年4月14日 14時11分