改正臓器移植法に基づき、国内で初めて15歳未満で法的脳死と判定された10代前半の少年から提供された臓器の移植手術が14日までに、全国の5病院ですべて終了した。移植された患者の容体はいずれも良好という。
心臓は「18歳未満の提供者からの提供先は18歳未満を優先する」という国の基準を初適用し、大阪大病院で13日、10代男性へ移植された。肝臓は北海道大で20代男性、膵臓(すいぞう)と片方の腎臓は藤田保健衛生大病院(愛知県)で30代女性、もう一方の腎臓は東京女子医大病院で60代男性、両肺は東北大病院で50代女性にそれぞれ移植された。
5病院の中で最後に移植を終えた東北大の近藤丘(たかし)教授は14日、「搬送手段が心配だったが、仙台空港が13日から使えるようになり、患者にとって本当に良かった」と語った。【藤野基文、鈴木一也】
毎日新聞 2011年4月15日 東京朝刊