ピロリ菌による胃の粘膜障害を軽減する効果が確認された御岳百草丸
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長野県製薬(王滝村)は20日、同社の「御岳百草丸」が、ピロリ菌が引き起こす胃炎などの粘膜障害を軽減する効果があることをマウス実験で確認したと発表した。京都薬科大との共同研究で、日本薬学会の学会誌に発表した。
ピロリ菌を口から飲ませたマウスに、一定量の御岳百草丸を1日2回、4週間連続で投与。胃の中のピロリ菌の数と胃の出血面積を比べたところ、投与しなかったマウスより、菌数も出血面積も減ったことが分かった。
研究チームの京都薬科大病態薬科学系薬物治療学分野、竹内孝治教授は「人間にも同じ効果があると推察される。継続的に服用することで、ピロリ菌に感染しても胃炎を緩和できる可能性がある」と話している。
ピロリ菌は大きさ3〜5マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)の細菌で、胃の表面を守っている粘膜を傷つけ、胃炎や胃がんの原因になるとされる。同社は2007年、星薬科大と共同で、試験管内で培養したピロリ菌に対し、御岳百草丸が除菌効果を持つことを確認している。マウスでの効果が分かったのは、今回が初めて。
御岳百草丸は御岳山麓で採れる薬草が原料で、300年の歴史があるとされる。御岳信仰により、全国に広まった。 (市川泰之)
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