【栃木】放射線の専門家が講演 自治医大で200人聞き入る2011年4月3日
福島第一原発の事故を受けて不安が高まっている放射線への理解を深めてもらおうと、自治医大(下野市)は三日、専門家による講演会を開き、市民ら約二百人が聞き入った。 同大RI(放射性同位元素)センター管理主任の菊地透氏(61)が講師を務め「県内の環境は問題ない。正しい情報を知り、これまで通りの生活をしてください」と呼び掛けた。 菊地氏は「瞬間的に出た通常の何十倍という数字に右往左往するのは混乱のもと」と指摘。「放射線量を従来と単純に比較するよりも、健康に影響するかどうかを基準にレベル分けして公表した方が良い」と主張した。 野菜や牛乳、水道水から基準以上の放射性物質が検出された問題については「一年間毎日食べ、飲み続けて影響が出るかもしれない値。すぐに下がったのだから、心配する方がストレスになって体に良くない」と解説。広島と長崎の原爆のデータを例に、被ばくによるがんリスクにも触れ「放射線量が一〇〇ミリシーベルト以下では胎児も含めて影響はなく、遺伝的な差も出ない」と説明した。 会場からは質問が相次ぎ、「母乳は放射性ヨウ素が濃縮されるか」との問いには「母体がフィルターとなって逆に薄まる。どんどん母乳をあげてください」と答えた。 (清水祐樹) PR情報
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