くまにちコム:熊本のニュース速報なら熊本日日新聞

テキスト版サイトマップ


くまにちコム トップ > 熊本のニュース > 塩害克服の経験、被災地へ 県が技術提供提案 


地域ニュース

塩害克服の経験、被災地へ 県が技術提供提案  2011年04月08日

塩害克服の経験、被災地へ 県が技術提供提案 の写真、図解
高潮による塩害被害を受けた農地の復旧作業=2000年1月、宇城市松橋町
 東日本大震災の津波で被災地の農地が浸水し、塩害が懸念されている問題で、県は1999年の八代海沿岸の高潮被害で、農地を短期間で回復させた経験を生かそうと、復旧支援に乗り出した。過去に大規模な農地の除塩に取り組んだのは全国で熊本県だけで、県は農林水産省の要請に応じて、塩分を除去する技術マニュアルを提供。技術者の現地派遣も検討している。

 農水省の推定では、福島、宮城など太平洋沿岸6県で、全農地の2・6%にあたる計2万3600ヘクタールが津波で浸水。塩分が多い土壌では農作物が育ちにくいため、稲作などに影響が出ることが心配されている。

 熊本県は99年9月の台風18号による高潮で、宇城市や八代市など八代海沿岸の水田や畑計約1400ヘクタールが浸水した。塩害が懸念されたが、県や地元自治体が連携して、農地にたい積した海底ヘドロの排出や除塩に迅速に着手。当初、数年かかるとみられていた復旧が早く進み、露地野菜は半年後に収穫でき、稲作も翌年の田植えに間に合った。

 県は一連の取り組みを技術マニュアルとしてまとめており、今回農水省に提供。マニュアルには、「石灰を使って塩分を抜く技術」「6千カ所の土壌調査の結果」「塩害にあった土壌でのキャベツ、トマトなどの試験栽培データ」などが盛り込まれている。

 農水省技術普及課は「千葉県や香川県などにも塩害からの復旧マニュアルはあるが、熊本県のマニュアルは実証データなどが格段に充実しており最も参考になる」と評価。被災した自治体に熊本県のマニュアルについて情報提供しており、青森県などが関心を寄せているという。

 県農林水産部は「農業再開には除塩が不可欠で、被害が小さい所は今年の作付けに間に合う。職員派遣を含め、できる限りの支援をしたい」としている。(上田良志)


統一地方選(4月24日)の開票状況を速報

統一地方選では4月24日投開票の市町村長・議員選の開票状況を携帯版とパソコン版の「くまにちコム」で速報します。開票データを随時集計して候補者の当落を伝えます。URLは携帯版(有料)がhttp://m.kumanichi.com。パソコン版がhttp://kumanichi.com/。[携帯版「くまにちコム」詳細] 携帯版くまにちコムQR

九州地区高校野球・九州大会をイニング速報

第128回九州地区高校野球・九州大会が4月24日から鹿児島で開幕します。県勢は九学と千原台が出場、全試合をイニング速報します。
[携帯版「くまにちコム」詳細]
携帯版くまにちコムQR



フォトニュース




スポンサードリンク




個人情報保護方針著作物の利用についてお問い合わせ

↑このページの先頭へもどる


「くまにちコム」に掲載の記事、写真等の無断転載は禁じます。著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。

Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun