栃木県鹿沼市の国道で18日、登校中の小学生6人がクレーン車にはねられ死亡した事故で、運転手柴田将人容疑者(26)=自動車運転過失致死容疑で送検=が3年前にも登校中の男児をはねてけがをさせ、住宅に突っ込む同様の事故を起こしていたことが20日、栃木県警への取材で分かった。 柴田容疑者はこの事故で有罪判決を受け、執行猶予期間中だった。
柴田容疑者が「発作を伴う持病がある」と供述していることも判明。18日の事故について「居眠りしてしまった」と説明しているが、道路状況などから現場までの400メートルの間に異変があったとみられ、県警は発作で突然意識を失った可能性もあるとみて調べている。
県警によると、3年前の事故は2008年4月9日朝に発生。柴田容疑者の乗用車が鹿沼市の国道121号交差点で歩道にいた当時小学5年の男児をはね、道路脇の住宅に突っ込んだ。男児は右脚骨折の重傷を負った。
県警の書類送検を受けて宇都宮地検が自動車運転過失傷害の罪で在宅起訴し、宇都宮地裁が同年11月、禁錮1年4月、執行猶予4年の判決を言い渡し、確定。地裁は判決で「前日の仕事の疲れから、眠気を覚えながらも運転した」と認定した。
一方、県警は自宅や会社の家宅捜索で診察券や薬を押収。薬をどのように服用していたかやクレーン車事故の当日の健康状態も調べている。
県警によると、柴田容疑者が出発した国道沿いの勤務先から事故現場までは約700メートル。勤務先を出ると約300メートルは緩やかな左右のカーブが続き、残り約400メートルは直線になっている。
勤務先を出る際に異常はなく、カーブ部分でも事故を起こしていないことから、直線部分で意識を失った可能性があるとみられる。(共同)