FCソウル戦の勝利から一夜明け、空港で名古屋行きの便を待つストイコビッチ監督=仁川国際空港で(隈崎稔樹撮影)
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名古屋グランパスは20日、韓国遠征から帰国した。19日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグ第4戦ではアウェーのFCソウル戦(韓国)に勝ちF組首位に浮上。同組のもう1試合でアルアイン(アラブ首長国連邦)が1−0で杭州(中国)を破ったため、名古屋は第5戦の杭州戦(5月4日・瑞穂陸)に勝てば決勝トーナメント進出が決まることになった。24日には浦和戦(埼玉)でリーグ戦も再開。ドラガン・ストイコビッチ監督(46)はチーム状態の高まりを確実に感じている。
中部国際空港に到着したストイコビッチ監督は、晴れた空を見上げて「名古屋に帰ってきたよ」と満面の笑みを見せた。19日のソウル戦では、FWケネディ、玉田、MF中村、ダニルソン、ブルザノビッチら多くの主力を欠きながらも、大きな1勝を手にした満足感が漂っていた。
開幕の杭州戦はアウェーで0−2と大敗し、次のホームのソウル戦も引き分けに終わった。スタートダッシュは失敗したが、3試合目のアルアイン戦(12日・瑞穂陸)に4−0と快勝し、初白星を挙げると勢いに乗った。来月4日の次戦、ホームの杭州戦に勝てば、1次リーグ突破が決まるところまで前進した。杭州は、1次リーグで唯一勝っていない相手。それでもピクシー監督は「次は必ず勝つ」と、力強く雪辱を宣言した。
右太もも裏を痛めたFWケネディの復帰については、練習が再開する22日以降の様子を見るしかない。杭州戦の前には東日本大震災のため中断していたリーグ戦が再開となり、浦和戦と川崎戦(29日・瑞穂陸)の2試合が控えているだけに「状態はまだ分からない」と、一瞬表情を曇らせた。
しかし代わって出場した若い選手たちが躍動した。「吉田も、磯村も良かった」。国際大会の舞台で物おじせずに戦った、経験の少ない選手のたくましさは、本人だけではなくリーグ連覇を狙うチームにも大きな収穫だった。「チーム状態は良くなっている」。ピクシー監督は、ACLの連勝で取り戻した好調をJ1でも持続する。 (伊東朋子)
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