国際【放射能漏れ】チェルノブイリ事故、今も大きい見解の隔たり 犠牲者「数十人」から「14万人」まで+(2/2ページ)(2011.4.21 08:50

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【放射能漏れ】
チェルノブイリ事故、今も大きい見解の隔たり 犠牲者「数十人」から「14万人」まで

2011.4.21 08:50 (2/2ページ)
チェルノブイリ原発事故から25年を経て、今も定期的に行われる甲状腺がんの検査を待つウクライナの若者(ロイター)

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チェルノブイリ原発事故から25年を経て、今も定期的に行われる甲状腺がんの検査を待つウクライナの若者(ロイター)

 国連原子放射線影響科学委員会(UNSCEAR)が今年2月に出したチェルノブイリ事故に関する最新の報告書によると、最初の水素爆発で2人の作業員が死亡し、駆けつけた他の作業員や消防士ら28人が放射能の影響で亡くなった。その後、2006年までに死亡したのは19人に上るが、放射能だけが死因とは特定できないとしている。また、汚染された牛乳を飲んだ子供ら6000人が甲状腺がんにかかったが、05年までに死亡が確認されたのは15人としており、合わせても犠牲者は数十人としている。

「犠牲者14万人」

 これに対し、グリーンピースなどの環境団体は、がんによる死者は10万人に上ると主張。また、同事故の生存者を支援するウクライナの団体は、これまでの犠牲者数を14万人とするなど、放射能による影響をどう見積もるかでUNSCEARとは大きく異なっている。

 元作業員らは、ウクライナ当局が科学的根拠がないことを理由に十分な補償を行おうとしていないと、不満をつのらせているという。

 チェルノブイリ事故の放射能による身体的な健康被害はいまだ証明できないものの、人々に大きなトラウマ(心的外傷)を残したことは確かなようだ。(宮野弘之)

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チェルノブイリ原発事故から25年を経て、今も定期的に行われる甲状腺がんの検査を待つウクライナの若者(ロイター)

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